WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

「今年はたくさんの選手がいいプレーを続けている。マツヤマはすごく調子がいいし、ジャスティン・トーマスはもう今季3勝もしている。今年は”誰の1年”になるか、まったくわからない。だから、彼らに追いつき、追い越すためにも、僕だってがんばらないといけないんだ」

 そう語ったのは、先日行なわれた世界選手権シリーズ(WGC)のメキシコ選手権(3月2日〜5日/メキシコ)を制し、ジェネシス・オープンに続いて出場試合連続優勝を飾った世界ランキング1位のダスティン・ジョンソン(32歳/アメリカ)である。

 タイガー・ウッズ(41歳/アメリカ)が王者として君臨し続けていた時代が終焉を迎えて、ここ数年は毎年、”王者”が入れ替わっている。

 2014年は、全英オープン、全米プロを制したロリー・マキロイ(27歳/北アイルランド)の年だった。翌2015年は、ジョーダン・スピース(23歳/アメリカ)だ。マスターズ、全米オープンとメジャー2連勝を飾って世界中を沸かせた。

 そして2016年は、世界ランキング1位となったジェイソン・デイ(29歳/オーストラリア)、あるいは全米オープンで初のメジャー勝利を挙げたジョンソンの年だったかもしれない。もちろん、当のジョンソンは「いや、昨年は僕の年だ。だって、僕がプレーヤーズ・オブ・ザ・イヤーを獲ったのだから」と主張する。

 その賛否はともかく、昨年の10月に開幕した2016-2017シーズンはここまで16試合が行なわれて、ジャスティン・トーマス(23歳/アメリカ)が3勝、松山英樹(25歳)とジョンソンがそれぞれ2勝と、複数勝利を挙げた選手は早くも3人となり、現状では彼らが今年の王者候補として先陣を切った。

「でもまだ、シーズンはようやく序盤戦が終わったにすぎない。メジャーに向けて(世界ランクの)上位選手が調子を上げてきたら、どうなるかわからない。本当の戦いはこれからだ」

 ジョンソンの言うとおりだろう。今年は誰の年になるのか、まさにこれから始まるメジャー次第だ。

 実際、メジャー初戦のマスターズ(4月6日〜9日/ジョージア州)を4週後に控えて、このジョンソンをはじめ、トップクラスの選手が順調に調子を上げてきた。メジャーの頂点を狙う顔ぶれがいよいよ存在感を示し始めて、今年は本当に面白い戦いが繰り広げられそうだ。

 まずは、今季3勝のトーマス。昨年10月のCIMBクラシックで大会連覇を果たしてからは、年明けにもSBSトーナメント・オブ・チャンピオンズ、ソニー・オープンと2週連続優勝を遂げて絶好調だったが、その後は2月のウェイスト・マネジメント・フェニックスオープン、ホンダ・クラシックで予選落ち。ここに来て、当初の勢いにかげりが見え始めていた。

 しかし、メキシコ選手権で復調の兆しを見せた。3日目にツアー2度目というホールインワンを決めると、首位に躍り出て熾烈な優勝争いを展開。最終的には5位タイで終わったものの、再び調子を取り戻して、メジャー初優勝への期待が膨らんでいる。

 昨年のマスターズで”悲運”に見舞われて以降、やや低調気味だったスピースも、2月にAT&Tペブルビーチプロアマで今季初優勝を飾って上昇気配。メキシコ選手権では3日目に「63」をマークして、上位に名を連ねた。結局、12位タイでフィニッシュしたが、こちらもシーズン本番に向けて「順調に仕上がっている」と、2度目のマスターズ制覇を視界にとらえている。

 そして、肋骨の疲労骨折から戦列を離れていたマキロイも、復帰戦となったメキシコ選手権ですかざす優勝を争った。首位と2打差で迎えた最終日はパープレーと振るわずにジョンソンに屈したが、「ショットの出来は、復帰戦としては期待以上だった。これから、来月までじっくりと調整していきたい」と、確かな手応えをつかんだ。マスターズで悲願の優勝なるか、注目である。


メキシコ選手権の初日、2日目と、ジョンソン、マキロイと一緒にラウンドした松山英樹(中央) さて、トーマスと並んで「今季好調」と言われる松山の現状はどうか。ウェイスト・マネジメント・フェニックスオープンで今季2勝目を飾ったあとは、ジェネシス・オープンで予選落ち。メキシコ選手権でも25位タイに終わって、一時の勢いは感じられない。

 メキシコ選手権の初日、2日目には、ジョンソン、マキロイと同組でプレー。優勝争いに加わっていくふたりからひとり取り残されて、悔しさをにじませていた。

「(調子が)悪いときでも、(ジョンソンやマキロイは)ああやってスコアを伸ばしていけるのがすごいと思う。自分にはない力なのかな、と思う」(松山)

 松山が現在、やや低迷している要因はパッティングの不調にある。それをマスターズまでに改善できるかどうか、多くのファンが気になるところだろう。

 その大一番の前には、アーノルド・パーマー招待(3月16日〜19日/フロリダ州)とWGCのデルマッチプレー(3月22日〜26日/テキサス州)の2試合に出場予定。そこで、本来の調子を取り戻してくれることを望みたい。

 ところで、心配なのはインフルエンザでメキシコ選手権を欠場したデイ。ディフェンディングチャンピオンとして出場する、パーマー招待、マッチプレーでのプレーぶりを注視したい。

 ジョンソンを筆頭に、調子を上げているマキロイ、スピース、トーマス。一方、松山、デイはこのあと復調できるのか。今年が”誰の1年”になるのか、その行方を左右するメジャー第1弾のマスターズまで、もうすぐである。

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