ユーモアを交えながら“マウイ”に
ついてじっくりと解説

写真拡大

 「リトル・マーメイド」で知られるロン・クレメンツ&ジョン・マスカー監督の最新作「モアナと伝説の海」には、魅力的なキャラクターが数多く登場する。なかでも、主人公のモアナと行動をともにする伝説の英雄マウイは、オリジナル版でドウェイン・ジョンソン(日本版では尾上松也)が声を務めている。

 伝説の英雄マウイのキャラクター形成に重要な役割を担ったのは、同作のヘッド・オブ・アニメーションのハイラム・オズモンド氏、アニメーション・スーパーバイザーのマック・カブラン氏、2Dアニメーターのエリック・ゴールドバーグ氏、ヘッド・オブ・キャラクター&テック・アニメーションのカルロス・カブラル氏。映画.comでは、米ロサンゼルスのディズニー・アニメーション・スタジオで4人に話を聞いた。

 カブラン氏は、今作におけるマウイについて「ハワイにある島の名前だけではなく、ポリネシア神話に登場する偉大なデミゴッド(半神半人)の名前でもあるのです。マウイについての認識は島々によってさまざまですが、映画に登場するマウイは、オセアニック・ストーリー・トラストの助言を取り入れながら、あらゆるインスピレーションを組み合わせた活気ある存在になっています」と説明する。

 キャラクターを構築していくうえで、クレメンツ&マスカー監督をはじめとする製作陣がミーティングを重ねていくなかで興味深かったのは、「初期段階のマウイには髪の毛がなかった」(カブラン氏)ことだという。それでも、オセアニック・ストーリー・トラストから、マウイの伝説を聞きながら育った人々は誰もが、マウイはフサフサの髪を持っていることをイメージしていると知ることができたという。

 マウイのカールした長髪の描写を担当したカブラル氏は、「本当に大変なんですよ。カールした長髪というと、最近の作品では『塔の上のラプンツェル』のマザー・ゴーテルがいます。しかしマウイの長髪はとてもドラマチックでありながら真実味のあるものでなければなりませんから、新たなテクノロジーを開発するところから始まりました」と明かす。さらに、カブラン氏は「マウイを描くにあたって、より複雑さが増したのは、彼がシャツを着ていないという事実でした。シャツを着ないCGキャラクターを描くことって、私たちにとっては希ですし、そういうキャラを見たこともなかったので、肉体構造を様式化する方法を考えなければならなかったんです」と補足する。

 また、「ポカホンタス」などの監督としても知られるゴールドバーグ氏は、今作ではマウイの体を埋め尽くすタトゥーの中に現れる“ミニ・マウイ”を担当。穏やかな笑みを浮かべながら、「マウイの体にあるほとんどのタトゥーは、彼が過去に行った大胆で勇気ある行動の数々を再現したものなんだ。ミニ・マウイには人格があります。そもそもマウイの分身であり、マウイにとって最高のチアリーダーであり、それ以上に彼の良心でもあるのです」と説明。その後も、4人のマウイに注いだ愛情の深さがうかがえるほどに、多角的な“マウイ”論が展開されていった。