連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第23週「あいを継ぐもの」第132回 3月10日(金)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出:新田新三


132話はこんな話


昭和48年、日本がオイルショックに見舞われ、高度経済成長が終焉を迎えた。

デレデレおじいちゃん


武ちゃん(中島広稀)と中西(森優作)が、デレデレおじいちゃん紀夫(永山絢斗)に、8ミリカメラをプレゼント。気が利くなあってすごく嬉しそうな紀夫。いい部下に恵まれてますね。

こうして家族の記録が、写真から8ミリに進化した。
紀夫はさっそく孫を撮りまくり、キアリスファミリーを集めて上映会まで開く。
それを見たすみれ(芳根京子)は、キアリスガイド映像版を思いつく。

肌着あります


冴えてるときのすみれは抜群の力を発揮する。
ライセンスビジネスによってキアリスグッズがショップの前面に置かれるようになったが、顧客がいいと思うものが見当たらなかったとか肌着がないとかいう不満を漏らすのをたまたま耳にしたすみれは、すぐさま肌着をもって来て客を喜ばせる。
ふだんはおっとりしているが何かあると俄然キビキビと頼もしい。そこはヒロインの面目躍如。

うちやったらねえ


さて、赤ちゃんを生んだばかりのさくら(井頭愛海)は育児があるから自宅で仕事をしているようだ。
そこへたびたびやってくる君枝(土村芳)。昼休みと夕方仕事のあとと1日2回も来るとなると、さすがにさくらに同情してしまう。
昼休みなんて、姑のために昼ご飯を用意しないとならない。「ほんまにおむすびだけというわけにはいかへんやろな」と焼き鮭と卵焼きと味噌汁をつくってもてなすと、今度は「部屋が片付いてない」と姑チェック、「うちやったらねえ わたしが全部してあげるのにね」と優しい顔で嫁にプレッシャーをかけまくる。
そこへ、帰ってきたすみれが「大丈夫?」、さくらは「うん」としか言いようがない。こういう沈黙は効いている。主人公が味合わなくて済んだ嫁姑問題を、娘が体験していてかわいそう。

さくらは健太郎に「お母さんに言って」と頼むが、健太郎は言い出せず、君枝はまた来て、おしめの洗濯してくれる。母には何も言えないのは、昭一(平岡祐太)と琴子(いしのようこ)と同じパターン。

強いわ 強いわ


昭和48年、オイルショックで景気が悪くなり、高度経済成長が終焉を迎えた。
主婦はトイレットペーパーの買いだめをし、テレビは深夜の放送を中止にするなど、生活が不自由に。
早々と放送を終えて砂の嵐になった画面を、壊れたと思って叩く紀夫を「強いわ強いわ」とすみれがとがめると、テレビがぶつっと切れて、続く。この終わり方は面白かった。

紙不足、節電・・・という状況を観ていて思い出したのは、6年前の東日本大震災。トイレットペーパーやティッシュペーパーが店頭からなくなり、テレビも節電のため、番組を休止していた。NHK放送文化研究所のサイトには「NHKは節電のため教育テレビとBS2の放送を15日から5日間午前0時から午前5時まで休止した」と記録されている。
ドラマではすみれたちが、子育ても大変だった戦後を思い出し、現実では誰もが大変だった6年前を思い出す。

どんなに未来が明るくても、過去のことを忘れずにちゃんと伝えていきたい。姑問題に関しては引き継がなくていいと思う。
(木俣冬)