「爆買いの中国クラブを撃破!攻撃サッカーが評判のFC琉球に迫る」

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今週開幕を迎えるJ3。昨季、過去最高の8位という成績を収めたFC琉球も新シーズンをスタートさせる。

2017年シーズンが開幕するJ3のFC琉球

昨シーズンの琉球は、序盤では首位争い、中盤では3連敗が2度あり順位を落とし、最後は8試合負けなしの期間があるなど、好不調の波が大きかった。

そして、最終節までJ3得点王争いを演じたMF田中恵太がJ2水戸ホーリーホックに移籍。

その代わり「多くの気合いの入った新人が加入してくれた」と指揮官も話すなど、課題だった選手層に厚みを増した。

助っ人外国人がブラジルトリオから韓国トリオへとシフトチェンジした事も面白い。

2017年のプレシーズンでは"爆買い"で騒がれる中国1部の複数クラブと練習試合を行い、2勝2分2敗と五分の成績を残した。

世界最高年俸、アルゼンチンのカルロス・テベスが加入して騒がれている上海申花との試合に2-0で勝利した事は話題となった(なおテベスは不出場、ナイジェリア代表やインテルなどで活躍してマルティンスは出場した)。

JリーグDAZNニューイヤーカップではジェフユナイテッド千葉に3-1、コンサドーレ札幌に1-2で準優勝。

今年から新社長に倉林啓士郎氏が就任すると、ユニホーム、トレーニングウェアともにスポンサーが増えている事など、明るい話題も聞こえてきて、今後に要注目だ。

そんなFC琉球の2017年指揮を執るのは昨シーズンに引き続き金鍾成(キム・ジョンソン)監督。

昨シーズンは他チームのサポーターからも面白いサッカーをすると評判のチームを作り上げた指揮官は、今シーズンはどんなサッカーを見せてくれるのか?

その秘密に迫った。

J3のFC琉球を率いる金鍾成(キム・ジョンソン)監督

写真はジョンソン監督。取材日:1月14日

インタビューアーはブラジルでサッカー指導者をしている平安山(へんざん)が務める。

ー宜しくお願いします。今年目指すサッカーはやはり攻撃的サッカーなのでしょうか?

「そうですね。大きく言うと攻撃的サッカー。

理想としては1失点してでも3得点して勝つサッカーを去年していたけれども、でもそれは難しい事で、昨年も完璧では無かったし、今年もそれが出来るとは限らない。

でもそこにチャレンジし続ける事は大切だと思っています。仮に3-1のスコアで勝ったとしても、また更に次を追い求めていくものなのかなと。

ただ今シーズン具体的にどういうサッカーをするかというと、それは選手とともに形作られていくもので、選手が変わればまた形も変わる。常に模索しています」

ー今年からフィジカルコーチが加入しましたが、どんな意図がありますか?

「昨シーズンはフィジカルコーチを取り入れずにハードな練習をしていたので、怪我人が多かったというのがあります。今年1番の補強はフィジカルコーチです。トレーニングの質が変わりました」

ー選手数が少ない中で怪我人が多かったのは響きました。フィジカルコーチ加入の目的はフィジカル強化の部分とコンディション調整、どちらでしょうか?

「あくまで"ゲームパフォーマンスを上げる"のが目的なので、そのためにはフィジカル強化もコンディション調整も大切だと思っています。両方ですね」

ー外国人選手の補強が韓国人3人ありましたが、狙いはどういったものでしょうか?

「ただ単純に選手として良いと思ったからですね。

特に国籍は関係ありません。外国人枠を使い切る必要があるとも思っていないです」

ー昨シーズンのブラジル人に比べると多少選手間のコミュニケーションも取り易いのでは?

「そうですね。私とリキ選手、イルギュ選手が2ヶ国語話せますし、加入した韓国人選手達ももともとFC琉球に来る前から日本にいたため、ある程度日本語も分かります。

まだ加入して1週間で、韓国人だけで集まって固まる傾向があるので、合宿では日本人選手と相部屋にして親交を深めさせるつもりです」※取材日は1月14日

ー昨シーズンは序盤と終盤では連勝、中盤では連敗と、波が大きいシーズンでした。連勝理由・連敗理由についてはどうお考えですか?

「中盤の連敗理由はコンディションの部分が大きいのかなと思います。

終盤の連勝については、去年なりにやりたいサッカーが形作られてきたからなのかなと考えています」

ーでは昨シーズン終盤で出来たサッカーを今年も出来るのでしょうか?

「去年のものをそのままその形からスタートすると、もしかするとそれ以上のものが出来た可能性を消してしまうので、警戒もしています。

継続するものとそうでないものを見極める必要がある。そこが難しい。

去年家を半分作ったけれども、その家をそのまま作るとその家になる。でも作った家を壊すと、違うもっと良い家になるかも知れない。そんな考えです」

ーもし一言で今年のサッカーを表すとしたらどうなりますか?

「やはり3-1で勝つサッカーです。どういう3-1になるかは選手とともに作っていきます。勿論5-0で勝てるならそこを目指しますが、攻撃的にって事ですね。

プロスポーツというのは見る人が主人公で楽しんで貰いたいと思っていて、その使命はJ3でも田舎のクラブでも持つべきなのかなと。

僕にも選手もまだまだ上の人がいるけれど、それはプロの端くれとしての宿命で、プライド。苦しくても良い試合をしよう、見てる人を楽しませようという気持ちは大切。

だからと言ってそれが攻撃サッカーとイコールとは限らないけれど、僕はそれがイコールと思っている人間。それが守備的サッカーがイコールと思っているならばそれで良いんです。

観客が喜ぶサッカーが絶対に攻撃的サッカーだけかというとそうとは限らないので。でも僕はそう思うからチームで共有しようと考えています。沖縄の人の県民性が1-0で勝つサッカーが好きならそっちにシフトする事もアリだと思っています」

ー結果を出すため、練習用具などの備品が増えましたね。スポンサーも増えていますが、選手獲得も含めて、補強費は増えたのでしょうか?

「備品はフィジカルコーチの要望がありました。クラブが頑張ってくれました。

でも補強費としては昨シーズンのブラジル人選手に払っていた給料や通訳の給料が減った分、同じかむしろ節約したくらいですね。必要なものは揃えていこうというクラブの考えがありました」

2017年シーズンが開幕するJ3のFC琉球

ーでは今シーズンの目標をお願いします。

「今年の大卒新人組は気合いが入っています。昨シーズンより選手の総数も多いですし、選手層が厚くなりました。去年も大卒新人を多く獲得しましたが、去年より今年の新人の方が良いとはチーム内でも言っています。

逆に昨シーズンは選手層が薄かった分、大卒新人組も試合に出場して成長を見せてくれた。

結果を求めてやっていきます。アグレッシブなサッカーでJ2昇格が目標です」

ーサポーターに向けて何かありますか?

「お互いに求め合う関係を築きたいですね。『もっとこんなサッカーが見たいんだ』など、要望があれば是非教えて欲しいです。私は時には罵声も応援と考えていて、我々が気を抜いていたり頑張っていなかったら言って欲しい。

とは言いつつも、やはり苦しい時には支えても貰いたい。逆に良いサッカー出来ていたら盛り上げて頂けたらと思います」

ー最後に一言お願いします。

「楽しんで貰える様なサッカーをやりますので、ぜひ県総にお越し下さい!」

ー今回はありがとうございました。

そんなFC琉球のホーム開幕戦は来週18日(土)17:30、沖縄県総合運動公園 陸上競技場にてKick off。

2017年シーズンが開幕するJ3のFC琉球

その他の前半戦ホーム試合はこちら。

2017年シーズンが開幕するJ3のFC琉球

取材協力:FC琉球

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公式ツイッター: @fcr_info

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筆者名:平安山 良太

小学生よりサッカーを始めるが、ケガにより早期挫折。高校時代より指導者の道へ。日本で中京大学や名古屋グランパスU12でのアシスタントコーチなどを含め、幼稚園〜大学生まで幅広く指導者として関わった後、更なる成長を志し海外へ。

東南アジアのトライアジアプノンペンFC(現カンボジアンタイガーFC)やラオス代表で研修の後、ブラジルへ渡る。ブラジル一部リーグのアトレチコ・パラナエンセ→SCコリンチャンス→Avai FCの下部組織にてアシスタントコーチを歴任。

ライター、代理人、Jクラブでの通訳等も広く行っている。アルゼンチンのリーベル・プレートやペルーのアリアンサ・リマで研修生の経験も。

ツイッター: @HenzanRyota