Doctors Me(ドクターズミー)- 災害から我が子を守ろう!妊婦さん・ママさん向けの防災対策マニュアル

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東日本大震災から6年が経とうとしています。天災は忘れたころにやってくる、と言うように、いつ災害が訪れるかわかりません。

特に妊娠中、小さいお子さんがいらっしゃる女性の方は、防災の為に普段からどのようなことを意識すれば良いのでしょうか。

今回は災害時の妊婦さん・ママさんの心がけ、避難中に妊婦さんがなりやすい疾患、備えておくべきものなどを医師に解説していただきました。

災害時の妊婦さん・ママさんの心がけ


もともと妊婦や乳幼児を持つ女性は健康上の不安が大きかったり、生活する上で特別な物資を必要としたり、不安定な状態ですが、災害時にはさらに弱い立場となります。ご本人も周囲も注意が必要です。

災害時に妊婦さんが注意すること


食事


妊娠中は頻尿になりがちで、トイレを使いにくい災害時は水分を控えてしまいがちですが、水分補給はしっかりすることが大切です。

体調管理


足首を動かすなどこまめに運動が必要です。お腹の張りや気分の悪さがあるようなら横になりましょう。

衛生面


下着を変えられなくても、おりものシートやナプキンを利用し、こまめに交換できるよう準備しておくと良いです。

服装


足腰やお腹を冷やさないように、暖かい服装でいましょう。

必需品


母子手帳、受診している産院の名前や診察券番号が分かるもの、保険証は常に持ち歩きましょう。妊娠中期以降であれば入院セットを用意しておき、持ち出せるようにするといざという時便利です。

災害時に妊婦さんが引き起こしやすい疾患


■ むくみ
もともと妊婦さんは子宮により足の血流が滞りやすくなるため、避難中に同じ姿勢をとり続けると足がむくみやすくなります。

■ エコノミークラス症候群
災害時は車の中や狭い避難所にいて運動量が減ることが多く、下肢静脈血栓(いわゆるエコノミークラス症候群)が起こりやすくなります。

膝から下の細い静脈の中で、血のかたまりができ、それが血流によって肺の血管に詰まって肺塞栓症を起こしてしまい、重症の場合はその場ですぐに心停止に至る危険性もあります。

■ デリケートゾーンの炎症
災害時は陰部の清潔を保ちにくくなり、外陰部の炎症や膣炎を起こしやすくなることもあります。

ナプキンなどのこまめな交換のほかに、抵抗力を高める為に、体の健康も大切です。

■ 流産、早産
無理をして動くことがあれば、お腹の張りや、切迫流産・切迫早産を起こしやすくなる可能性もあります。 性器からの出血、下腹部の痛みが症状として現れます。

必要以外は体をできるだけ動かさず、安静にしておくことが一番の予防方法です。

その他


自分がどのような支援や物資を必要としているのか、周囲に遠慮なく相談してください。もしかかりつけの産院が機能していない場合、受診できる産院を確保するために移動する必要が出てきます。安全な方法で避難するようにしましょう。

災害時に赤ちゃんを持つママさんが注意すること


食事


■ 母乳の場合
できる限り頻回授乳を続け、母乳量を保つようにします。ストレスで一時的に母乳が出にくくなる場合もありますが、赤ちゃんに吸ってもらっているうちに量が回復することが多いです。

■ 粉ミルクの場合
清潔な哺乳瓶や水が確保できるか確認します。哺乳瓶の消毒が難しい場合、月齢が低くても、紙コップで直接授乳したり、スプーンで飲ませることもできます。

■ 離乳食の場合
味付けが濃くないか気になりますが、応急的に大人の食事をビニール袋内で揉んで柔らかくするなどして与えることができます。

■ 幼児食の場合
大人の食事を取り分けて与えます。密封バッグ内に食材を入れて鍋でバッグごとゆでることで、少量ずつ調理することができ、鍋を洗う水が節約が可能です。

体調管理


子供はストレスを感じやすいですが、環境の変化に柔軟に対応できる強さも持っています。普段よりスキンシップを取るなどしてストレスを減らしつつ、子供の強さを信じましょう。

体調に変化を感じたら、避難所の診療所などで相談してください。

衛生面


できる範囲で手洗いや歯磨き、うがいを行います。アルコール消毒ジェルを利用したり、おしりふきで体を拭いたりします。

トイレ


オムツは、皮膚に触れる部分は古布で作り、ストッキングやフリース生地、ビニール袋でおむつカバーを作ることができます。

服装


子ども服が手に入りにくくなることもありますが、大人の服を切って使うなど工夫しましょう。

必需品


母子手帳、お薬手帳、診察券はすぐ持ち出せるようにしましょう。子どもが気に入っているおもちゃがあると落ち着きます。

災害時に赤ちゃんが引き起こしやすい疾患


風邪や胃腸炎、脱水になりやすくなると考えられます。

その他


自分で名前や住所が言えない年齢の子供とはぐれてしまいそうになったら、子供の体に直接マジックで名前や住所、親の名前や電話番号を書くのも一つの手です。

災害時に周囲ができる妊婦さんやママさんへの対応


思いやりを持って接し、物資の調達やトイレ・風呂・調理器具の利用を優先的に行えるよう配慮することが大切です。

必要としているものや支援がないか、こまめに声をかけてあげましょう。

被災地での救急の対応


自衛隊やDMAT(Disaster Medical Assistance Teamの略で、災害急性期に活動できる機動性を持った医療チーム)を中心に医療班が構成され、必要であればヘリコプターなどで周辺の都市に搬送される場合もあります。

災害時の医療機関の体制


各地に災害拠点連携病院が指定されています。また学会などが運営している特殊車両や医療班が出動することがあります。

例えば日本眼科医会はビジョンバンというバスを持っており、東日本大震災で眼科医療支援活動を行いました。

最後に医師から一言


日本はいつどこで地震など大災害が起こってもおかしくないと言われています。

今一度ご家庭での備えを見直し、災害時のシミュレーションをしてみましょう。

(監修:Doctors Me 医師)