0-1で迎えた終了間際、好位置でFKのチャンスを得た横浜だったが、天野(14番)のキックは壁に阻まれ、同点においつけなかった。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ3節]鹿島1-0横浜/3月10日/カシマ

 90分、1点ビハインドの横浜に、同点に追いつける絶好のチャンスが訪れる。
 
 遠藤渓太の果敢なカットインのドリブルが相手のファウルを誘い、ペナルティエリア付近で直接FKを手にする。
 
 キッカーは、左利きのボランチ、天野純。ボールをセットし、呼吸を整え、キックの軌道をイメージする。
 
 その時、GKの飯倉大樹が小走りで天野の下に駆け寄る。その行動にはどんな意図があったのか。
 
「なるべく(シュートが)GKから見えないようにしようと思って、壁に立っているキー坊(喜田拓也)にズレるように指示しました。全然、違うところにいたので」
 
 残り時間もわずかになるなか、セットプレーのチャンスに負けているほうのGKが最前線に上がるのはよくあること。だが、この時の飯倉は違った。GK目線で「相手が嫌がることをしないと。鹿島からはなかなか点が取れないから」という考えで、ゴールマウスを飛び出した。
 
 しかし、飯倉のアドバイスも空しく、天野のキックは壁に当たってしまい、ゴールならず……。飯倉も「まあ、上手くいかなかったけどね」と苦笑いを浮かべたが、勝負に賭ける執念と、ベテランらしい冷静さが垣間見えた行動だった。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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