奥菜恵が、セーラ服やウエディングドレスなど様々な衣装で熱演、オレノグラフィティによるピアノ生演奏にも注目。

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劇団鹿殺しの作家・丸尾丸一郎の最新作「親愛ならざる人へ」が絶賛上演中だ。奥菜恵を主演に迎えた今回のOFFICE SHIKA PRODUCE作品は、丸尾にとって初のコメディーとなる。今作について丸尾に話を聞いた。

【写真を見る】奥菜恵が花嫁姿で舞台上を駆け巡る!

「今まで自分の経験してきた人生を描くことが、僕のオリジナリティーが出せる作品だと信じていましたが、舞台の脚本を数多く書いているうちに、逆に自分の知らない人生を描くことに興味が出てきました。

架空の設定、人格に入り込んで、書きながら他人になって生きてみる。で、今回の『親愛ならざる人へ』は知人の女性から聞いた面白話から発想を膨らませました。喜劇にしたのは、悲劇は現実世界だけで充分だろうという最近の僕の気持ちもあります」。

プロデュース公演は2014年にスタートし、Cocco、鳥肌実、鳥越裕貴、小澤亮太、山本裕典ら幅広いジャンルの演者が出演してきた。

「奥菜恵さんは劇団鹿殺しの作品を観ていただいたことから、一度、自分の書いた作品に出演してもらいたいとラブコールを送り続けていました。

佐伯大地くんは映画『ピースオブケイク』の劇中劇の構成演出を僕が担当したことから実現した、劇団めばち娘の旗揚げ公演『ツチノコの嫁入り』のオーディションを受けにきてくれたことから、いつかまた舞台共演しようと心に決めていました。

久世星佳さんはパルコプロデュースの『カフカの変身』で共演した時、僕ら小劇場出身には出せない気品あふれる演技に憧れと尊敬の念を持っていました。

奥菜さんはやはり舞台上での求心力がすごい! そこにいるだけで“見てしまう”のです。うそのない誠実な演技も、演出していてとてもやりやすかったです。

大地くんはやはりスケール感を持った役者だと思います。まだまだ荒いところはあるけど、声と体から発せられる空気が舞台上を制する、今後楽しみな役者です。

久世さんには稽古中たくさんのアドバイスをいただきました。オレノグラフィティが演じるホテルマンの身のこなし、劇団鹿殺し女優陣への演技指導、僕の役者への演出方法、たくさんのことを教えていただきました。すごく貴重な時間と体験を与えてくださりました」と丸尾自身も刺激を受けた様子。

舞台では、熊本県人吉市のゆるキャラ「ヒットくん」も登場する。これには驚いた観客も多い。

「主人公の故郷を熊本県の人吉にしたのは、昨年僕が九州を旅行した時に人吉を通り掛かったからです。車窓から見た山深い風景に、ここに住んでいたら主人公たち家族は何を思い、どう生きるのか、など想像を膨らませました。

また出演する椙山さと美が熊本出身だったため、方言の指導もやりやすかったことも理由ですが…。書き進めるに当たって人吉には特産品の『きじ馬』があり、それをモチーフにしたゆるキャラ『ヒットくん』がいることを知りました。

第一稿ができたとき、すぐに人吉市に連絡をとって『ヒットくん』を劇中に登場させたい旨を伝えました。まさかの快諾でした(笑)。

お借りした『ヒットくん』は、僕の想像以上に大きかった! 『ヒットくん』が舞台上にいると、他の役者が見えないっていう弊害は出ましたね(笑)」。

残念ながら、熊本県での上演予定はなく、東京公演のあとは大阪へ。

「『親愛ならざる人へ』は喜劇という形態をとっていますが、本当は家族再生の物語です。人を受け入れる、人に優しくなる、舞台を見た後に家族や自分の周りにいる人たちとの関わり合い方を考える機会になれば幸いです」。やはり丸尾作品は家族への厚い思いがある。

今回さらに話題となっているのは、グッズ売り場で奥菜恵プロデュースブランド“MARU”のグッズが発売されていること。Tシャツ、トートバッグなどシンプルなアイテムがそろう。

「一つの枠にとらわれずに欲しいもの、作りたいものをさまざまなジャンルで展開していくセレクトブランドです。人と人との思いがつながり、平和の輪が紡がれていくように願いを込めて作った“MARU”です。

MARUの糸が友達の輪を広げ糸友達であるあなたの日常にささやかな幸せをもたらしてくれたらと思います」(奥菜恵)。舞台後にこちらもあわせてチェックしてみては?