9日、福島県の内堀雅雄知事が、東日本大震災から6年となるのを機に、日本記者クラブで会見した。「東京電力福島第1原子力発電所の廃炉のめどが立たない。地元の双葉町と大熊町は今なお全域避難を余儀なくされ、県民約8万人が避難している」と訴えた。

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2017年3月9日、福島県の内堀雅雄知事が、東日本大震災から6年となるのを機に、日本記者クラブで会見した。福島では交通インフラや医療機器産業の拠点整備が進み、今春には4町村の避難指示が解除される。一方で、東京電力福島第1原子力発電所の廃炉のめどが立たない。地元の双葉町と大熊町は今なお全域避難を余儀なくされ、県民約8万人が避難している。同知事は「風評被害など難題も山積し、復興は長い戦いになるが、県民とともに新しい福島の創造に全力で取り組みたい」と力説した。発言要旨は次の通り。

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東日本大震災で福島県での死者行方不明者3930人。地震、津波の被害はもちろん大きいが、福島第一原発事故による放射能漏れの被害は地域に甚大なダメージを与えた。避難区域は953平方キロと福島県の面積の7%にも及んだ。避難者は12年5月の16万4865人をピークに減少し、現在約7万9226人。地元の双葉町と大熊町は今なお全域避難を余儀なくされている。正月を自分の家で過ごせない状況が6年も続いているのは辛い。県の人口も震災前の202万から減少し、190万人となった。短期間にこれほど大きく減った例は他にない。

東京電力福島第1原子力発電所の廃炉・汚染水対策は、燃料デブリの取り出しなど極めて困難な作業が長期にわたって続く。世界の英知を結集して、安全最優先で着実に廃炉作業を進めてもらいたい。

中間貯蔵施設建設容認は苦渋の決断だった。除染が進む中で、早期建設への県民の強い要望がある一方で、巨大な貯蔵施設を受け入れる地権者や住民の強い反対もあった。風評もなお存在し、コメ、モモ、肉牛など福島産農産物価格は全国価格に比べ低いままだ。観光客数も震災前を十数%下回っている。

明るい話題としては、交通インフラの縦軸が整ったこと。国道6号線、常磐道路が全線開通、JR常磐線も部分開通が進捗、2019年度の全線開通の見込みだ。

福島原発が立地する双葉郡の高等学校は県内各地の8校にサテライト校として分散しているが、県立ふたば未来学園高等学校が開校した。医療、産業界の拠点として「医療・産業トランスレーショナルリサーチセンター」(福島市)「ふくしま医療機器開発支援センター」(郡山市)、会津大学復興支援センター(会津市)が28年秋に開所した。

日本合唱コンクールで福島が4年連続で日本一となり「合唱王国・福島」の伝統を守った。全国新酒鑑定会で、県内蔵元の18銘柄が金賞に選ばれ、4年連続の日本一に輝いた。

風評や風化など課題も山積みだ。復興は長い戦いになるが、県民とともに新しい福島の創造に全力で取り組みたい。(八牧浩行)