ニック・コバチッチ監督

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 カリフォルニア州のナパ・ヴァレーのワインを題材にした映画『ディキャンテッド.(原題) / Decanted.』について、ニック・コバチッチ監督とワイン醸造家のスティーヴ・レイノルズ氏が、2月28日(現地時間)ニューヨークのAOL開催のイベントで語った。

 カリフォルニア州ナパ・ヴァレーの7人のワイン醸造家が、四季の天候に悩まされながら、時間をかけて醸造する過程とあまり世間には知られていないワイン業界の実態に迫ったドキュメンタリー作品。

 今作に懸ける思いについてスティーヴ氏は、「ワイン醸造家のストーリーを世に送り出したいとずっと思っていた。過去にGoPro(撮影向けのヘルメットカメラ)で撮影したことがあるが、ニックが(映画として)手掛けてくれたことで助けられた」と語ると、コバチッチ監督は「撮影は2014年から始めた。良いワインは、何層にもわたる過程を経て醸造されている。この撮影でワインが、ぶどう作りから人々がボトルを開けるまで、さまざまな人の手が加わり、何千ものステップを経て醸造されていることを発見できた」と明かした。

 「僕は、自分のワインをテイスティングしている人々に注意を払っているだけでなく、他の醸造家が作ったワインのテイスティングの際にも、いつも耳を傾けている」と自身の仕事について語ったスティーヴ氏は、「例えば、卵の焼き方はそれぞれのやり方がある。それは人生経験を通して確立されたものだ。それがワインになると、人の意見を聞いたり、与えられた土壌、さらに自然の恩恵などさまざまな変化しやすいものから判断され、自分のやり方だけではできない。最終的には、母なる自然にも(ワイン作りを)委ねながら仕事をしていることを理解してほしい」とワインの奥深さについて語った。

 最後にスティーヴ氏は、ナパ・ヴァレーと他の地域のワインの違いについて「ナパでは、ほぼ毎年変わらずにぶどうを熟成させることができる。カリフォルニア州の良さは地中海気候で、肥沃な土壌にある。味の深さや熟成されたぶどうの味が、ナパの芳醇なワインが世界に知られる理由の一つだ」とアピールした。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)