残業の有無については、全体の93.8%が「ある」と答え、規模を問わずほとんどの企業で残業が行われている実態が浮き彫りになった。

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 政府が残業時間の上限規制を「月100時間」でとして検討するなど長時間労働が社会的問題として浮上しているが、東京商工リサーチが1万2,000社以上を対象に長時間労働に関するアンケート調査を行ったところ、残業削減は中小企業にとってはハードルが高いことが改めてわかった。

 調査は2月14〜24日にインターネットで行なわれ、有効回答は1万2,519社だった。分析上、資本金1億円以上を大企業、同1億円未満(個人企業、各種団体を含む)を中小企業等と定義した。

 残業の有無については、全体の93.8%が「ある」と答え、規模を問わずほとんどの企業で残業が行われている実態が浮き彫りになった。企業規模別では、大企業では「恒常的にある」が2,021社(構成比69.7%)、「時々ある」が825社(28.4%)で、「残業がある」は2,846社(98.2%)に及んだ。

 中小企業等(9,465社)は、「恒常的にある」が5,074社(53.6%)、「時々ある」が3,679社(38.8%)で、「残業がある」は8,753社(92.4%)と、中小企業等の方が残業のある比率は5.8ポイント低かった。

 一方で、残業減少に努力しているのは全体で9,861社(79.7%)、「いいえ」は1,537社(同12.4%)にとどまった。しかし、規模別にみると中小企業等は「いいえ」が構成比で14.0%に上り、大企業の2倍に達した。中小企業等が「いいえ」と回答した理由をみると「納期・期日の問題などもあり、個々の企業努力ではどうしようもない」「社員が絶対的に少なく簡単には改善できない」など、中小企業に根強い人手不足に起因する回答が多く、自社解決の限界もうかがえた。

 同リサーチでは「過重労働の解消とワークライフバランスの実現は企業規模に関係なく最優先の課題。労働時間が売上や賃金に直結する中小企業の実態をより正確に把握し、実のある政策実現に向けた問題提起と解決に結びつけることが急がれる」とコメントしている。