『女囚611 〜獣牝(オンナ)たちの館〜』(GPミュージアムソフト)

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 都内で行われた元受刑者の女性を集めたトークイベントで、現役の刑務官が観客に紛れ込んでいたことがわかった。イベントでは、元受刑者が“刑務所内のオナニー事情”などを過激に告白。これが何かの参考になったのだろうか。

 2月下旬、都内で開催されたイベント「女囚たちの夜」には、『韓国女子刑務所ギャル日記』(辰巳出版)の著者である作家、仲河亜輝ら、女子刑務所の元受刑者たちが5人出演。会場は観客があふれて定員オーバーとなり、主催者が入場を止める事態になったほど。出演の元女囚5人はいずれも「シャブ」絡みでの受刑だが「女囚のほとんどは覚せい剤で捕まっている」とイベント関係者。

 出演者はそれぞれ「夜中に覚せい剤を持ったまま不動産屋の前で部屋探しをしていたところ、パトカーが通りかかって職務質問され捕まった」「部屋で覚せい剤を打っていたら警察に踏み込まれた」「運び屋のアルバイトをしたつもりが、荷物の中身が覚せい剤だった」などの服役理由を話したが、中には「家にクスリがあって、物心ついたときには手を出していた」という生粋のワルも。

 ただ、中でも観客の興味を引いたのは、女囚の性欲処理法だ。女性たちは「5本のボールペン」「踏みつけて硬くしたコッペパン」など日用品を“道具”として利用し、陰部に挿入していたというのだ。

 これは刑務官に見つかれば「留置施設内の衛生または風紀を害する行為をしてはならない」という規則に違反したとして懲罰対象となってしまうから、決死の行為だったようだ。

「これをムショ内では通称、陰部摩擦罪と呼んでいるんです。でも、懲罰で独居房行きになったらなったで、人目がないので、それはまたやりたい放題」と元女囚。

 ただ、こうした話は刑務官にとって「監視の目を逃れる手法」の“種明かし”でもある。後に現役刑務官がこのイベントを見ていたことがわかり、改めて感想を聞くと「興味本位で、仕事とは関係ない」と言い張ったが、女囚が「内職で作る干したバナナの皮を使えば紙巻きタバコが作れて、実際に喫煙できた」という話などについては、「正直、その手があったか、とは思いましたね」と感心していた。

 また、元女囚から「まともな生理用品もないから、裁縫をしたいと糸をもらっておいて夜中にこっそりティッシュと糸を使ってタンポンを自作することもあった」「獄中出産したら産んだ子どもとすぐに引き離されて、子育てをしてやれず、顔を合わせる機会も限られていた」と刑務所内の不満を並べていたことには、刑務官も「制度の改正が必要かも」と同情。ただし、気に入らない刑務官を部屋に引きずり込んで集団で暴行を加えるリンチ事件があったことが告白されたことには「あまり情けをかけすぎても怖い」と厳しい態度で接しなければならない自覚を新たにするなど、何かと仕事の参考にしている様子だった。

 昨今、こうした「元受刑者」がテレビで取り上げられる機会は増えつつあり、約2年前の『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)では「かつて刑務所に入っていたオンナたち」として元服役囚の女性5人が出演。こうした番組の反響は高く、「昔に比べて元受刑者が堂々と経験談を語るようになってきている」と刑務官。「前科者がテレビで犯罪自慢のようなことをするのはどうなんでしょう。まるで武勇伝のように話していて違和感もある」とも話した。

 一方、イベントに出演した刑務所事情に詳しい作家の影野臣直氏はこう反論した。

「今回のようなイベントでのトークは決してふざけてやっているわけではなく、普通に暮らしている人たちには知る機会がない内情を伝えているもの。日本ではいまだ『一度刑務所に入ったら人生おしまい』という考え方が根強いですが、世の中が受刑者の社会復帰を支援し、こうした経験談も含めて受容してくれるように変わるのは良いことでしょう。元受刑者の反省と決意、新たな一歩を踏み出した姿を見られると思います」

 確かに刑務所から出て社会復帰した人間が、こうして隠れもせず自分の考えを述べ、それを社会が把握できるのはデメリットがあるものではないだろう。唯一、刑務官が“女囚対策”の参考にしてしまうところは、受刑者にとってマイナスかもしれないが……。
(文=大山清/NEWSIDER Tokyo)