女性賛歌の傑作ポリネシアン・ミュージカル『モアナと伝説の海』

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ディズニー新作アニメーション『モアナと伝説の海』は、リン・マニュエル・ミランダの音楽に乗って、太平洋の島に暮らす少女とコミカルな英雄の冒険を描いた物語。

優しくて向こう気が強いポリネシアの少女、モアナの人生の通過儀礼とも呼べる大冒険の物語を、天才リン・マニュエル・ミランダ、ディズニーを代表する作曲家マーク・マンシーナ、リズミカルな歌唱を聴かせるポリネシアン・バンド、テ・ヴァカのリーダー、オペタイア・フォアイによる素晴らしい音楽が彩る。ポリネシア文化を取り入れたこの物語を語る上で、本作の音楽はその素晴らしい映像と共に欠かせない要素となっている。

新人アウリー・クラバーリョが声を吹き込んだ主人公モアナは、生まれ育った島モトゥヌイでの生活にどこか物足りなさを感じている。そんなモアナは、半神半人のマウイが盗んだ命の女神テ・フィティのタ期イ鮗腓慮気吠屬垢燭瓠大海原へと旅に出る。しかし、巨大な獣テ・カーがモアナの行く手を阻む。だが、ザ・ロックことドウェイン・ジョンソン演じる愉快なマウイが仲間に加わると、困難な旅路にも大きな笑いが生まれるのだ。とりわけマウイがタ世猟爐蠖万イ鮖箸辰討気泙兇泙米以に変身するシーンは、素晴らしく愉快だ。


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まあ、そんな細かいことは気にしなくてもいい。この物語が他の作品と一線を画しているのは、主人公モアナが強い自立心を持ち、決して恋愛のテーマだけにとどまることがないからだ。地味にだが、モアナはこれまでのバービー人形のようなか細いディズニープリンセスとは体つきも異なっており、これはもはや革新的とも言える。

思わぬ障害は、村長であるモアナの父が、島を囲うサンゴ礁よりも沖に出ることを島民に厳しく禁じていることである。それは、父に従っていた頃のモアナの心情が読み取れる劇中歌『いるべき場所』に象徴されるが、モアナがやがて冒険を決意するバラード『どこまでも 〜How Far Ill Go〜』へと、物語は歌に乗って大海原へと漕ぎ出す。

ジョン・マスカー監督とロン・クレメンツ監督は、モアナが海で漂う描写にたっぷりと時間を費やしている。例えば、ジェマイン・クレメントがコミカルに演じる巨大なカニのタマトアや、そしてモアナの相棒のおバカなニワトリのヘイヘイとの冒険の時間。しかし、これはとても気の利いた楽しい寄り道だ。

モアナは「私はプリンセスじゃない」と主張するが、マウイはそれを否定する。「もし君がドレスを着て動物の相棒を従えてたら、それは君がプリンセスだって証拠だ」と。確かに一理ある。しかし、モアナはプリンセス以上の存在だ。彼女には重大な使命がある。怪物だろうが、半神半人だろうが、彼女を止めることはできないのだ。

『モアナと伝説の海』
監督:ジョン・マスカー、ロン・クレメンツ
製作総指揮:ジョン・ラセター
声の出演:アウリー・クラバーリョ、ドウェイン・ジョンソン、レイチェル・ハウス、テムエラ・モリソン、ニコール・シャージンガー
http://www.disney.co.jp/movie/moana.html
3月10日(金)、全国ロードショー。