キッチンの消毒、こまめにしてますか?

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東京都立川市の小学校7校で2017年2月、ノロウイルスによる集団食中毒が起きた。児童や教職員1098人が下痢などの症状を訴えたが、原因として特定されたのは、学校給食に使われた「刻みのり」だった。製造元の大阪市ののり加工業者から同じノロウイルスが検出され、大阪市は3月4日、この業者を営業禁止処分にした。

ノロウイルスは、主に冬から春先に流行する傾向にある。今回ののりのように、感染リスクはどの食品にもある。家庭でも、台所などで対策を徹底したい。

「塩素系漂白剤」で殺菌可能

手洗いが重要なのはよくいわれるが、いわゆる除菌石鹸やアルコール製剤にはノロウイルスを除去する効果はない。手をよくこすり、丁寧に汚れを落とすようにウイルスを洗い流すしかないと、厚生労働省の食中毒情報にも書かれている。

では身の回りのもので、ノロウイルスの毒性や感染力を失わせ、さらに殺菌効果が期待できるものは何か。答えは「次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系消毒剤」、つまり「キッチンハイター」や「キッチンブリーチ」などの塩素系漂白剤だ。

厚労省の機関である「医薬品食品衛生研究所」が公開している「平成27年ノロウイルスの不活化条件に関する調査報告書」によると、市販の塩素系消毒剤を水で薄めた液にも一定のノロウイルスの殺菌効果が確認されている。

ただし同報告書によると、効果が発揮されるのはあらかじめ清掃・洗浄されノロウイルス汚染物などが除去されている場合で、肉汁などが飛び散っている状態では殺菌しきれないこともあるという。また、エタノール(アルコール)消毒剤の効果は、無意味ではないものの限定的だったようだ。

ノロウイルスの殺菌効果があるとはいえ、塩素系漂白剤で消毒した調理器具や皿を使って調理をしたり、漂白剤を台所に散布するのは少し抵抗感がある。85度以上の熱湯による消毒も一定の効果が期待できるとされているが、厚労省によると1分以上継続する必要があり、手軽な方法とは言い難い。

卵由来成分で「ヒトノロウイルス」に効果発揮

食品メーカーのキユーピーは2016年9月、100%食品由来の抗ウイルス成分を含んだアルコール除菌スプレー「K Blanche(ケイ ブランシュ)」を発売した。J-CASTヘルスケアの取材に応じた広報担当者によると、同社のテストで黄色ブドウ球菌と大腸菌を99.9%除去できることを確認しているという。ただ、こうした一部の菌類への効果は普通のアルコール除菌スプレーと同じだ。

注目すべきはスプレーに含まれる抗ウイルス成分「ノロクリアプロテイン」。キユーピーと東京海洋大学との共同研究から生まれた、卵白中のたんぱく質「リゾチーム」を加熱変性させた成分だ。ただし、「ケイブランシュ」が殺菌能力を持つとうたうことは法的にできないため、商品には記載されていない。ヒトノロウイルスの溶液に混ぜると、1時間でウイルスが検出不可能レベルにまで減少するという研究結果も発表されている。

厚労省によると、人に感染する主なヒトノロウイルスは「GI」と「GII」という2種類がある。広報担当者は、

「『GI』と『GII』で効果を確認しており、遺伝子が変異した新型のGIIやA型肝炎ウイルスにも対応しているとのデータが得られています」

と話した。

100%卵由来の成分で作られているため、キッチンや食卓はもちろん、食器をはじめ、口に触れるものにも直接吹きかけて使用でき、ふき取りも不要だという。ただし、卵アレルギーなどの人は注意が必要だ。状況に合わせて活用するとよいだろう。