by Joshua Earle

2017年3月10日(金)、政府は自宅の空き部屋や空き家などを旅行者に貸し出す「民泊」について定められた「住宅宿泊事業法案(民泊新法案)」を閣議決定しました。民泊新法が施行されれば、年間営業日数の上限は180泊となり、家を貸し出す側である家主は各都道府県に届け出を行う必要があります。

民泊、全国で解禁 新法案を閣議決定  :日本経済新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS10H02_Q7A310C1000000/



民泊 届け出義務づける法案 閣議決定 | NHKニュース

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170310/k10010905521000.html

民泊:届け出だけで年180泊 住宅街でもOKに - 毎日新聞

http://mainichi.jp/articles/20170310/k00/00e/040/221000c

旅行者が一般の民家に宿泊する「民泊」は近年増加しており、その中でも、空き部屋や空き家を旅行者に貸し出すオンラインプラットフォームの「Airbnb」はホテル業界に激震を与えたとも言われています。しかし、このようなサービスの利用が増加することで、不動産運用を目的とした人も増え、都心部の賃貸マンションの価格が上がるなどの負の影響も見られています。

オンラインプラットフォームを使った民泊は新しい分野であり、既存の法律では対応できないということで、現在、世界各都市で法律が作られている最中です。そして、3月10日、日本でも民泊新法案が閣議決定されました。

日本の民泊新法案では、まず家主が都道府県に届け出を行う必要があるのと同時に、衛生管理や宿泊者名簿の作成、民泊住居とわかる標識の掲示も義務づけられます。この時、家主不在型の民泊は管理業者を国交省に登録させ、同様の義務を負わせるとのこと。新法案に違反した事業者には業務停止命令や事業廃止命令が出され、従わない場合は6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。また、Airbnbのような仲介サービスも観光庁への登録が必要で、宿泊料や仲介手数料の明示などが 義務化されます。

そして、宿泊の上限日数は「あくまで住宅」との考え方から、年の半分の180日まで。自治体は180日の上限をさらに制限したり、営業を認める区域を限定することが可能ですが、日数をゼロにしたり、管内全域で営業禁止にしたりすることはできないとの見解を政府は示しています。

一方で、(PDFファイル)2016年に調査では、180日の日数制限ができた場合に「ホストを続けることができない」と解答した不在型ホストは約9割で、在室型ホストは約7割にのぼっています。日数制限をつけることによって空き家活用が難しくなり、在室型ホストでもホームシェアを行う人の数は減少すると分析されており、「かえってヤミで民泊を行う人が増えるのでは?」という懸念もされています。しかしこの点については、無許可営業の罰金の上限が3万円から100万円に引き上げる旅館業法改正案が既に国会に提出されており、「ヤミ民泊」の取り締まりも強化される予定です。

民泊新法の閣議決定を受けて、Airbnb Japanの田邉泰之氏は以下のようなコメントを発表しました。

住宅宿泊事業法案の閣議決定に関するAirbnbのステートメント

(PDFファイル)http://clk.nxlk.jp/wwpvQ0xY

住宅宿泊事業法案の閣議決定に関するAirbnbのステートメント

田邉泰之 Airbnb Japan株式会社 代表取締役

この度の閣議決定を大変嬉しく思います。

有休資産である空き家、空き部屋の活用により、多くの新たな機会を生み出されます。地域社会に配慮し、持続可能な形で、ホームシェアを含む短期賃貸が日本全国で普及するよう、引き続き日本政府や関係者の皆様と協働させていただく所存です


そして同日、Airbnbは一般社団法人RCFとのパートナーシップ締結を発表。国内外からの訪問客の観光を促進し、地域を活性化させるために協働していくことを伝えています。

AirbnbとRCF、観光促進を通じた地域の活性化を目指すパートナーシップを締結

(PDFファイル)http://clk.nxlk.jp/Z4SFAOOs

RCFは、東日本大震災を機に震災復興のための調査を行う団体として発足した「社会事業コーディネーター」。どのセクターにも属さない立場で、地域の主体となる住民、県/市役所等の自治体、そして企業、NPOといった組織の恊働を促進することを目的としています。今回RCFがAirbnbと連携することにより、持続可能な形でのコミュニティの形成を目指すとのこと。提携の第一歩としては、「RCFがその地域でのAirbnbホスト候補と連携し、地域として自立的にコミュニティを運営するための仕組み形成や推進のサポートを担う」という試みが行われます。

RCF代表理事である藤沢烈氏は「RCFは東日本大震災を機に誕生した『社会事業コーディネーター』です。Airbnbが推進する短期賃貸はインバウンドの広がりに伴い、地域の個性やストーリーをしっかり観光客へアピールできる、地方観光の目指す姿のひとつと考えています。一方で、地域における短期賃貸の受け入れは、まだ体制的に十分ではありません。今回のパートナーシップにより、地方観光の新たなモデルづくりに取り組んでまいります」とのコメントを発表しました。

また、Airbnb Japanの公共政策担当部長である山本美香氏は、「RCFとの連携により、コミュニティ全体に短期賃貸の活用によってもたらされる利益が配分される仕組み作りから運用までを可能にする担い手を地域で見つけ、育てていける体制が整ったことを嬉しく思います。今後、RCFと協働し、既存の宿泊施設や地域観光の振興に携わる方々と協力しながら、その地域にあった短期賃貸の在り方を見出し、地域の観光をさらに盛り上げる一助となればと考えます」と語っています。

なお、民泊新法は早ければ2018年1月にも施行されるとのことです。