セレッソ大阪は11日にコンサドーレ札幌と対戦する【写真:Getty Images for DAZN】

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過去のプレーオフ昇格組は全て翌年のJ1最下位

 セレッソ大阪は11日の明治安田生命J1リーグ第3節で、コンサドーレ札幌と対戦する。この試合は単に昇格組同士の今季初勝利を目指す戦いとしてだけでなく、C大阪にとっては“呪い”を解くための戦いとしての意味も持つ。プレーオフ経由で昇格を果たした過去4チームは全て、翌シーズンのJ1を最下位で終えている。そのジンクスを打ち破るためにJ屈指のスター軍団はいかに戦えばよいのだろうか。(取材・文:ショーン・キャロル)

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 J1の新シーズンが始まってまだ2節を終えたところだが、土曜日(11日)の北海道コンサドーレ札幌対セレッソ大阪は、昇格組である両チームにとって極めて重要な一戦となる。

 昨年のJ2王者も、プレーオフからの昇格チームも、2017年の最初の2試合を戦ってまだ白星を挙げることはできていない。今週末の試合に勝って勢いをつけていくことが必要な状況だ。

 札幌はベガルタ仙台に0-1、横浜F・マリノスに0-3と、ゴールを奪えず連敗を喫している。C大阪もジュビロ磐田と0-0で引き分けて勝ち点1を獲得しただけであり、浦和レッズには1-3で敗れる結果に終わっている。

 札幌が久々のトップリーグで苦戦することは予想されていたが、C大阪のスロースタートはやや驚きでもある。プレーオフ昇格チームの”呪い”から逃れるため、一刻も早く流れを変えたいと望んでいるはずだ。

 C大阪の陣容を考えると、1年でJ2に逆戻りしてしまう結果になったとすれば予想外だと言える。現日本代表の山口蛍や、つい最近まで代表でプレーしていた柿谷曜一朗らを擁していたところに、新シーズン開幕直前には清武弘嗣まで戻ってきた。サムライブルーにおいて、ヴァヒッド・ハリルホジッチ監督のファーストチョイスという立場を固めてきた選手だ。

 だが札幌に敗れてしまうようなら、C大阪も過去の不吉な例に仲間入りすることになってしまう。

 プレーオフ経由で昇格を果たした過去4チームは全て、翌シーズンのJ1を最下位で終える結果となっている。開幕から3試合目までに白星を挙げることができたのも、2015年のモンテディオ山形が唯一の例だ。

J2の“ビッグクラブ”は新たな立場に適応できるか

 J2からの脱出に2年間を要したC大阪は、間違いなくそのために必死の仕事をしてきた。だが2部リーグにおいて”ビッグクラブ”だった彼らは、トップリーグでの新たな立場に適応することが必要になる。

「やっぱりJ1でやっていくにあたって、どうしても守備の時間は長くなると思う。その中で攻撃にいくときのパスの精度だったりとか、コンビネーションとか、そういうのは浦和はやっぱりすごく高かった。ウチはそこでミスすることが多くて、結局また浦和のボールになって、というのが多かった」と山口は先週末の埼玉スタジアムでの敗戦後に話していた。

 だが、C大阪のパフォーマンスがまとまりを欠いたことは状況的に仕方のない部分もあると山口は主張している。ミハイロ・ペトロヴィッチのチームのような継続性は今のセレッソにはないためだ。

「ウチは監督も変わっているし、ケガ人もいて、新しい選手もいて、やり方も違う。やっぱり完成度はもちろん全然違うと思う。浦和はほとんどメンバーが変わっていないから、やっているサッカーも変わっていない」

 柿谷も同様の事情を説明しつつ、コミュニケーション不足も問題のひとつだと指摘した。

「(セレッソは)監督が変わったばかりだけど、浦和の監督は長くやっている。試合後には選手たちで色々と話をした。試合前にそれができれば良かったと思う」

 ユン・ジョンファン監督のチームは攻撃陣にタレントを揃えているが、浦和戦でゴールを挙げたのはセンターバックのマテイ・ヨニッチだった。仁川ユナイテッドから今季加入した彼も、昨年の年間首位であるチームと、J2から復帰したばかりのチームには差があることを強調している。

「彼らはJリーグのトップ3の一角で、(AFC)チャンピオンズリーグでも戦っている。僕らは2部から上がってきたばかり。違いがあるのは当たり前。必死に取り組んでミスをなくしていかなければならない」とクロアチア出身のCBは語った。

「スタートが悪すぎたし、試合の中で自信を失った部分もあったと思う。僕の1点が決まってから反撃に出ようとしたが、もう遅すぎた」

5年ぶりJ復帰の清武の出場は? シーズンの目標は「9位以内」

 低調なスタートが浦和戦の結果に響いたことには、ソウザも同意している。

「浦和はすごくクオリティーの高いチームだから、今日の前半のように自由にビルドアップさせてしまうとこうなる。後半にはもう少し押し上げるようにして、良くなった部分もあったと思う」

「守備に取り組んでいく必要はあるが、それだけじゃない。直さなければならない部分はたくさんある。でも、何もかもが悪かったということでもない。改善が必要な部分を修正しつつ、うまくいっている部分を続けていくことも必要になる」

 実際のところ、後半にはC大阪が浦和を苦しめる場面もあった。フィニッシュの精度が高ければ、ホームチームも最後まで気を抜けない展開になっていたかもしれない。その事実はポジティブな要素だとソウザは捉えている。

「J1では選手や戦術のレベルが高くなるが、攻撃面では良い連携を見せることができている。相手を苦しめられる力はあると思う」

 清武のコンディションが整ってくれば、その点にさらなる改善が期待できるのは間違いない。だがソウザは、現在先発に名を連ねている選手たちを尊重する様子で、新たな46番を過度に持ち上げようとはしなかった。

「セレッソはすごく良いチームで、清武は代表チームでもプレーする素晴らしい選手。でも決めるのは監督なので、監督に聞いてみてほしい」と28歳のブラジル人は笑顔で答えていた。

 ユン監督に、堅実なチーム作りを成功させる力があることは間違いない。2014年8月に不可解な解任を告げられるまで、サガン鳥栖でも素晴らしい仕事をしていた。

 今年の狙いもきわめて明確なものだ。プレーオフ勝者のジンクスを打ち破るため、選手たちは順位表の上半分に入ることに集中しているとヨニッチは語った。

「監督はシーズン開始前に目標を掲げていた。選手は監督の考えに従うだけだ。シーズンを終えて、どういう順位にいるか見てみよう。監督は9位以内と言っていた。クラブはそういう目標を設定したので、僕らもそれに従ってベストを尽くしていく」

 満員が予想される土曜日の札幌ドームで勝利を収めることができれば、その目標に向けた明確な道筋が見えてくる。だが敗れるようだと心理面で大きな痛手を受けることにもなりかねない。

(取材・文:ショーン・キャロル)

text by ショーン・キャロル