韓国の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備は、中韓関係の様々な部分に影響を与えている。特に中国人客を主な収入源としてきた観光業への影響は大きい。現在中国人観光客に人気の高いクルーズ船業界でも、韓国への寄港を取りやめる動きが加速しているようだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 韓国の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備は、中韓関係の様々な部分に影響を与えている。特に中国人客を主な収入源としてきた観光業への影響は大きい。現在中国人観光客に人気の高いクルーズ船業界でも、韓国への寄港を取りやめる動きが加速しているようだ。

 中国メディア・今日頭条は9日、THAAD問題によるクルーズ観光業界内の異変について紹介する記事を掲載した。記事は「近ごろ、多くの旅行会社が相次いで韓国旅行商品の販売を取り止めているが、注目のクルーズ船企業も相応の調整策を打ち出している」としたうえで、ロイヤル・カリビアンが8日に「今月15日から6月30日まで、上海と天津を出発する便について済州への寄港を取りやめる」と発表したことを伝えた。

 そのうえで、現在中国のクルーズ船路線のほとんどは日本と韓国が主な寄港地となっており、一連の問題で航路が変更になれば「日本のみの寄港、あるいは出航自体取り消し」ということになるとした。そして、業界関係者からは「日本の港の受け入れ状況がひっ迫する。船が多くなり、停泊の時間やスペースなど細かい部分の調整が必要になる」との声が出ていると紹介している。

 例えば、釜山と長崎に停泊するプランは福岡と長崎に、済州は沖縄と熊本に変更といったことが考えられるという。さらに広島や高知、宮崎などの港も活用される可能性がある一方で、土産店など地上の受け入れ態勢不足やコストの問題が懸念されるという。

 記事は、長期的に見て、今後クルーズ船業界は新たな航路の開拓を余儀なくされることになると指摘。日韓路線以外に、北朝鮮、ロシア、タイなどが目的地に加わり、商品のラインナップが豊富になる可能性があると伝えた。

 航路の多様化は、政治的な影響を受けやすい東アジア地域のリスクを回避するうえで自然な流れと言えそうだ。一方で、現時点ですでにかなりひっ迫している、日本の港の受け入れ態勢をどう整えていくかも課題である。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)