ARを使って事故物件で幽霊を捕まえる

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不動産とテクノロジーをかけ合わせるとなると、ポケモンGoのように町の事故物件を探す携帯アプリを思い浮かべるかもしれない。

嘘みたいな話かもしれないが、これは実際に不動産業界におけるAR技術活用の好例だ。

 

ポケモンGoだけで終わらないAR

ポケモンGoのおかげで、2016年はARが注目を集めた年になった。だが、ポケモンを捕まえる以外にARで何ができるのだろうか?

Mashableの動画プロデューサーArmand ValdezはARの定義、そしてそれが今どのように使われているかについて、次のように語る。

「完全に環境に没入するVRと異なり、ARは今見えている世界をより素晴らしくすることを目的とする。ARは現実世界にデジタル情報が重ねられることで実現される。カメラがターゲットを捉えると、それがどれくらいの距離に、どれくらいの角度であるかなどをセンサーで検知する。そして得られた情報が、カメラの映像に投影されるといった具合だ。初期のARの活用例といえば、戦闘機のヘッドアップディスプレイが挙げられるだろう。パイロットは重要な情報を目前のフロントガラスで確認できる。この技術は自動車やGoogle Glassなどでも採用されるようになった。」

 

不動産業でのARの使われ方

これまで紙ベースで物件の案内を行なっていたが、携帯アプリやタブレットアプリで、ARを使い3D視点で内覧できるようになった。

ボタン一つで顧客はAR環境上で、部屋の内装を変えたり、家具を置いたりすることもできる。

革新的企業のひとつである香港が拠点のSpaciousは、事故物件を嫌う地元の習慣に目をつけた。取り憑かれていると思われているこういった物件は、価格の安い物件となる。

ポケモンGoが注目を集める中、Spaciousはアプリに事故物件を探し、幽霊を捕まえるAR機能を追加した。

SpaciousのCEOのAsif Ghafoorはこのアプリの機能について次のように語る。

「我々の狙いは不動産の検索や買収、賃貸のプロセスを簡単にすることであり、物件の価格に影響するこういった要素に目をつける人々にとっては、重要なことです。アプリを開くと、地図と物件のリストが表示されます。幽霊のアイコンがあるところが、事故が起こったところです。このJ Residenceは非常に有名な事故が起こったところであり、物件が再び市場に並ぶとその価格は半額まで下落しました。」

他にもGPSを使って物件を見つけるLUX ARや、物件の写真を撮るとそれについての情報を提供するHOMESNAPSのアプリなどもある。

不動産業界の専門家たちは、ARがここ数年で業界に大きな影響を与えるだろうと予想しており、2025年までに不動産アプリの規模は25億ドルになるという予測もある。その対象が物件を探す顧客であれ、物件を紹介する不動産業者であれ、また施工内容の変更を視覚化したい工事現場の作業員であれ、ARは不動産分野で長期にわたる影響を及ぼすだろう。

CLARKE ILLMATICA
[原文4]