「海辺のリア」の一場面 (C)「海辺のリア」製作委員会

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 小林政広監督と仲代達矢が「春との旅」「日本の悲劇」に続き3度目のタッグを組んだ映画「海辺のリア」の場面写真とフライヤー5種を、映画.conが入手した。場面写真は、仲代のほか阿部寛、黒木華、原田美枝子、小林薫といった豪華共演陣が熱演を披露する姿が確認でき、各登場人物をフィーチャーしたフライヤーは、仲代扮する主人公の「あんた、どちらさん?」などのセリフが添えられたシックな仕上がりになっている。

 本作で仲代が扮するのは、舞台や映画で役者として半世紀以上のキャリアを積み、さらに俳優養成所を主宰する大スター・桑畑兆吉。シェイクスピア悲劇の「リア王」を物語に絡めながら、認知症の疑いがある兆吉の人生最後の輝きを描き出す。公開された場面写真には、不気味な笑みを携えながら海辺を歩く仲代の姿や、鬼気迫る表情で仲代をにらみつける黒木など、演技合戦と称するにふさわしい場面の数々を切りとっている。

 兆吉の弟子・行男を演じた阿部は、役に入り込む仲代について「生命力に溢れ、その姿は神々しく美しく見えました。威厳ある『リア王』が乗り移ったかのような芝居でした」と共演シーンを述懐。兆吉が妻とは別の女に産ませた娘・伸子役の黒木は、仲代と1対1で感情を剥き出しにする場面が多かったようで「仲代さんの力強く自由な演技に圧倒されながら楽しく演じることができました」と喜びの声を挙げている。

 兆吉の長女・由紀子役の原田は「『海辺のリア』は、長い間、第一線で芝居を続けてこられた仲代さんだからこそできる作品」と評して「映像に写し取られたのは、『リア王』であり、俳優であり、仲代達矢さんご自身のようにも見えました」と告白。由紀子と愛人関係にある謎の運転手役の小林は「歳をとると言うのは可笑しくも哀しいもので、体力も衰え記憶力も曖昧になっていくということ」という思いを抱いていたようだが、仲代の名演を通じて「(作品を)見終わって、歳をとるのも悪くないと勇気をもらった次第です」とコメントを寄せている。

 「海辺のリア」は、6月3日から東京・テアトル新宿、有楽町スバル座ほか全国順次公開。