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By Cathe Friedrich

運動を行うことが健康に良く、老化を抑える効果があることは長らく人々に認識されてきたのですが、その中でも特に効果があるのは時間の短い無酸素運動と、負荷の低い回復時間を交互に繰り返す高強度インターバルトレーニングであることが研究によって明らかにされました。

Best anti-ageing exercise is high intensity interval training | New Scientist

https://www.newscientist.com/article/2123825-best-anti-ageing-exercise-is-high-intensity-interval-training/

アメリカ・ミネソタ州ロチェスターに本部を置く総合病院「メイヨー・クリニック」のK Sreekumaran Nair博士らによる研究チームは、18歳から30歳までのグループと65歳から80歳までのグループに実験に参加してもらい、トレーニング方式の違いによって細胞に含まれるミトコンドリアの働きがどのように変化するかを調査しました。

学校の授業などで耳にしたことがある人も多いはずの「ミトコンドリア」は細胞活動のエネルギーを生みだす小器官で、血中の糖分と酸素を使ってATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーを放出する物質を作り出します。ミトコンドリアの働きは年齢によって低下することがわかっており、その結果、血中の糖分があまり消費されなくなり、肥満を引き起こす原因とも考えられています。



By National Human Genome Research Institute (NHGRI)

研究グループは各グループを「インターバルトレーニング」「筋力トレーニング」「両方のトレーニング」を行う小グループに分割し、それぞれ3カ月間にわたってトレーニングを実施させました。その結果、若い人のグループではインターバルトレーニングを行った小グループはミトコンドリアがエネルギーを生みだす能力が49パーセント上昇したことが確認されました。さらに、年配者のグループにおいてもインターバルトレーニングの小グループに同様の結果が確認され、その上昇率は69パーセントと若い人のグループよりも効果が大きかったことが判明しています。

ここからは、インターバルトレーニングの効果は年配者の場合に特に顕著に表れることが浮き彫りになっています。Nair博士はこの結果について「3か月にわたるインターバルトレーニングの結果、全ての項目が若い人のグループの内容に近づいていることが確認されました」と語っており、言い換えると「若返り」にも似た効果がインターバルトレーニングには期待できると言えそう。



By U.S. Army Garrison Red Cloud

インターバルトレーニングはまた、肺機能や心臓と血液の循環系にも良い効果を及ぼしているとのこと。若い人のグループでは血中に酸素を取り込む能力が28パーセント上昇し、年配者のグループでも17パーセントの上昇が見られたそうです。

対照的に、筋力トレーニングだけを行っていたグループにはこのような効果は確認されなかったとのこと。Nair博士は「筋力トレーニングは筋繊維を肥大させて筋肉を大きくさせるという効果がありますが、ミトコンドリアの能力や心肺機能への効果は確認されません」と語っています。また、これら両方の方式を組み合わせた場合の効果は、双方の中間的なものだったことも確認されているそうです。

研究チームによる論文は以下のリンクから閲覧することが可能です。

Enhanced Protein Translation Underlies Improved Metabolic and Physical Adaptations to Different Exercise Training Modes in Young and Old Humans: Cell Metabolism

http://www.cell.com/cell-metabolism/fulltext/S1550-4131(17)30099-2