8日、大手旅行会社「エイチ・アイ・エス(HIS)」の澤田秀雄社長が日本記者クラブで会見、「観光産業が自動車関連業界を抜き、日本最大の産業となる」と指摘。ロボットホテル「変なホテル」を台湾、上海に近く開設する計画を明らかにした。

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2017年3月8日、大手旅行会社「エイチ・アイ・エス(HIS)」の澤田秀雄社長が日本記者クラブで会見、「観光産業が自動車関連業界を抜き、日本最大の産業となる」と指摘。特にインバウンド(訪日観光)部門が大きく伸び、16年の2400万人が、やがて年間6000万人と3倍近い規模に拡大するとの見通しを示した。ロボットホテル「変なホテル」を台湾、上海に近く開設する計画を明らかにした。

澤田社長は、日本の観光産業の発展にとって「顧客が楽しめるプラットフォーム(基盤)をつくれるかがカギとなる」と強調。「インターネットビジネスをさらに強化していく。日本には観光資源が多いので情報を伝えれば、もっと来てもらえる」と語った。

さらに、旅行ビジネスについて、「高所得者向けの超高級分野と格安分野に2極分化する。ミッシュランの格付けで言えば「1つ星」とそれ以下で差が出る」とし、2極分化の両方に対応していく考えを示した。

また「かつて団体旅行が主流だったが、最近は中国、韓国、台湾からの訪日観光客を中心に個人旅行の割合が増大している」と指摘。「イチゴ狩りなど行動を楽しむ観光に移行しつつある」と述べた。

2010年には 長年経営難だった「長崎ハウステンボス」を子会社化。12年に九州産業交通(熊本市)も傘下に収め、再生させた。赤字続きだったハウステンボス再生の秘訣について、澤田氏は「まず黒字になるイメージを描いた。売り上げ2割増の目標を立て、無駄な経費を削る将来像を描いて計画に落としていった」と語った。一方、成功の陰で「失敗したことも数限りある」と明かした。

15年1月には ロボットホテル「変なホテル〜変わり続けることを約束するホテル〜」を開業。ロボットがスタッフに代わって、チェックイン・アウトから清掃までロボットが行い、全体のスタッフはわずか7人、近く6人体制とする。澤田氏は「ロボットホテルは格安観光需要に適合し、人出不足対策にもなる」と強調。名古屋、大阪、東京、台北(台湾)、上海(中国)でも開設する計画という。

澤田氏は、1980年に旅行業界のベンチャーとして格安航空券販売を始め、オーストラリアでのホテル事業、96年にはスカイマークエアラインズの設立を発表するなど、チャレンジを繰り返してきた。現在、日本国内に295店舗、日本国外には66カ国141都市230拠点のネットワークを有している。

業務分野はロボット、エネルギー、農業、証券会社経営まで多岐にわたる。従業員数は約1万4000人。「未来創造型企業として、連結売上年間1兆円(現在約5000億円)をめざす」と力を込めた。(八牧浩行)