■シャペコエンセというチーム

 シャペコエンセは昨年11月に起きた飛行機墜落事故で選手、スタッフ合わせて19人も失ってしまったブラジルのサッカーチームだ。わずか7年という短い期間でリーグ4部からトップにまで躍り出るといったシンデレラストーリーを歩んだ。天から地に突き落とされたチームではあるが彼らはくじけなかった。2カ月も経たないうちにブラジルの強豪チーム、パルメイラスと親善試合を行い2ー2で引き分けた。

 12月22日にはシャペコエンセ支援の慈善試合が行われた。発起人はバルセロナに所属するネイマールら。ネイマールやカカと言ったスーパースターが登場し大いに盛り上げた。ちなみにこの収益金はネイマールの慈善基金を通し、シャペコエンセ側に寄付された。

 シャペコエンセに対しての支援はそれだけではない。シャペコエンセは今季のリベルタドーレス杯の出場権は得ていなかった。しかしコパ・スダメリカーナの覇者となったアトレティコ・ナシオナルがシャペコエンセにタイトルを譲渡。それにより同大会の覇者に参加資格が与えられるリベルタドーレス杯の出場権を自動的に得た形となった。

■ベネズエラで初の国際試合

 上記で表したようにシャペコエンセはリベルタドーレス杯の出場権を得た。グループ7に組み込まれ、初戦ではベネズエラのアトレティコ・スリアを2ー1で下した。墜落事故後初の国際試合ということで注目を浴びたが堂々とした戦いで見事勝利をもぎ取った。

 こう見れば話題作りのために八百長まがいの事が起きてるのではないか?という懐疑的な目で見る方はいるかもしれないが、それはない。というのも日本人はまだ南米の気質を知らないからそんなことが言えるのだと思っているからだ。同情はするけど試合が始まれば過去のことは一切気にしない。南米にはそれほどまでサッカーが文化として根付いているのだ。

 さらに私がそう思う理由が、シャペコエンセの選手がペナルティエリア内で倒されどう見てもPKという場面でも笛は鳴らなかった。そこには「ホームのチームに甘いジャッジ」がなされていたのだ。日本人が思い描くようなお涙頂戴の試合では決してなかった。試合はシャペコエンセが32分に先制し、68分に追加点をあげる。77分にアトレティコ・スリアの反撃で1点差に詰め寄られるも猛攻を凌ぎ切った。

■第2のマンチェスター・Uへ

 プレミアリーグで世界最高峰のクラブチームとして知られているマンチェスター・Uも過去に飛行機墜落事故の被害にあった。彼らは見事復活したわけだが、シャペコエンセはその速度を明らかに上回っている。ブラジルのチームとイングランドのチームを比較するのは難しいが彼らも世界的に有名なチームとなる可能性は大いにありうる。一人でも多くの人がシャペコエンセというチームを知ってもらうことを切に願っている。