高額な費用をかけて理想のエイリアンを目指す男性(出典:http://www.mirror.co.uk)

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世の中には、理想の姿を求めて高額な費用をかけて整形する人があとを絶たない。しかし理想像が人間ではなく「エイリアン」だとしたら、その追求は恐らく果てしないものではないだろうか。アメリカにそのエイリアンに近付くため100回以上の整形を繰り返した男性がいる。しかも彼は今後、性器や乳首、へその除去を計画しているというのだ。英紙『Mirror』や『The Sun』が伝えている。

米カリフォルニア州ロサンゼルスに暮らすヴィニー・オーさん(22)が自分の姿に違和感を抱いたのは、17歳の時。真の自分への追求を目指した彼は、その年にリップフィラーをした。

現在、メイクアップアーティストでありパートタイムのモデルをしているヴィニーさんは、鼻形成術や眉・頬骨へのフィラー、しわ取り施術にボトックス注射、顔面ピーリングにクライオセラピー(極低温治療法)などの整形を何度も繰り返し行ってきた。これまでに受けた施術回数はなんと110回、総額40,000ポンド(約560万円)にも上る。

ヴィニーさんの姿を見て、やはり驚く人も少なくない。眉はなく、張り詰めた陶器のような肌に分厚い唇、目にはヴィニーさん曰く「動物的で美しい」真っ黒のコンタクトレンズが挿入され、エイリアンのように鋭く尖るかぎ爪を持っている。そしてその「エイリアンに見える」ルックスこそ、ヴィニーさんが目指す理想の姿なのだ。

「僕は、男性でも女性でもなく性別を感じさせない“extra-terrestrial(地球圏外の生物 ET)”に見られたくてこれまで自分の姿形を変えてきました。心の中で思っているような感情を外側にも出したいと思った時に、自分の理想の姿はハイブリッドのエイリアンだと気付いたのです」とヴィニーさんは話している。

17歳で性別を超えた存在になりたいと思っていたヴィニーさんは、LGBTQの活動家になった。しかしゲイでもバイでもないと気付いたヴィニーさんは、さらに「自分らしくなる」ために今後は130,000ポンド(約1820万円)の費用をかけて性器、乳首、へそを除去する手術や耳を尖らせる施術、顎や頬のインプラント施術をする予定とのことだ。

そんな人間離れした容姿のヴィニーさんを見た人々の反応は、両極端に分かれる。内面を象徴するかのような外見で生きるヴィニーさんを褒める人もいれば、暴言を吐いたり直接暴力を振るう人もいるそうだ。しかしヴィニーさんは「“自分はどこにも属さないのではないか”という性の悩みを抱えた子供たちが、僕の姿を見て“自分はありのままでいい”とインスパイアされてくれれば嬉しい」と明かしている。

ヴィニーさんは『The Plastics of Hollywood』という番組に出演する予定だが、プロデューサー兼司会を務めるマルセラ・イグレシアスさんは「ヴィニーは、“人と違って見られたい”と思う世代の代表です。この先15年もすればヴィニーのようになりたいという人がもっと増えることでしょう。角を生やしたり顔中にタトゥーを入れたり、我々は“なりたいものになる”という時代で生きています。今後、いろんな嗜好や容姿の人がもっと世間に理解してもらえるようになることを願って、我々はそうした人たちをサポートしていきます」と語っている。

出典:http://www.mirror.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)