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WFP国連世界食糧計画とNEC(日本電気)は、地球規模での感染症発生時の医療や救援物資の輸送状況を可視化する「物流情報管理プラットフォーム」を共同開発することを9日、発表した。2014年のエボラ出血熱の感染国の広がりは、国境の封鎖や隔離地域の設定や狩猟禁止などのため、広範に流通を阻害。数百万人単位で食料不足に陥る恐れが発表され、日本を含む世界各国が物資の援助を大規模に行っている。

2015年の世界経済フォーラム(ダボス会議)では、このエボラ出血熱発生時の教訓を活かすべく「地球規模感染症対策サプライチェーンネットワーク (Global Pandemic Supply Chain Network, 略称PSCネットワーク)」プロジェクトが立ち上がり、国連WFP、世界保健機関(WHO)、世界銀行などの国際機関や米Henry Schein(ヘンリーシャイン)、米Becton, Dickinson and Company(ベクトン・ディッキンソン アンド カンパニー)、UPS財団などの民間企業などとともに、NECは唯一のアジア企業として参画。地球規模の感染症が発生した場合の輸送状況可視化プラットフォームを開発する。

NECは、社会課題への取り組みや考え方を紹介する社会価値創造レポートを公式Webサイト上で公開しているが、世界中で年間13億トンという無駄を排出しているという世界食料の課題を例に挙げ、生産ラインから物流、販売まで同社の先端AIやIoT技術などICTを活用したバリュー・チェーン全体の最適化に取り組んでいくことを表明している。なお、日本政府もこのPSCネットワークに100万米ドルの資金を拠出しており、政府ともにこの国際的な課題の解決に取り組むことになる。

国連WFP事務局長のアーサリン・カズン氏は、「2030年までに『持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、略称SDGs)』を達成するためには、様々な組織がそれぞれの知見を持ち寄り、地球規模課題の解決に向けて革新的な方法を編み出していくことが必要です。PSCネットワークの活動は誇るべきものです。官民が連携することで素晴らしい試みが可能となります。このプラットフォームの開発は、その最良の事例と言えます。」と国連が目標とする17の目標達成のためには、官民連携で課題解決に取り組むことの重要性を指摘している。

(長岡弥太郎)