これぞ、オリエンタル・エレクトロの傑作 / 『STAY GOLD』NEON BUNNY(Album Review)

写真拡大

 これぞ、オリエンタル・エレクトロの傑作ではないだろうか。韓国のシーンにおける気鋭のアーティスト、ネオン・バニーが発表した2枚目のフル・アルバム。2011年に『Seoulight』でデビューして以来、ピッチフォークを始め、韓国だけでなく欧米も含めた数々のメディアで賞賛されてきたシンセ・ポップ女子の筆頭格。とにかく、その完成度は非常に高い。

 冒頭の「Romance in Seoul」から、深遠な響きのバックトラックに乗せて、ウィスパー・ヴォイスが聞こえてくる。基本的にサウンドはミディアムが多く、しかも空間の広がりを重視したアンビエントなサウンドということもあり、神秘的な雰囲気が漂っていて、一気に異世界へと連れて行かれる。儚く美しい彼女の声はウィスパー系ではあるが、曲によってはヴォーカルの存在感が大きく、大仰的なシンセの装飾音を駆使したサウンドと見事に溶け合っているところはなかなかの強者という印象。80年代のR&Bにも通じる酩酊感は、当時の音楽を聴いていたファンにも引っかかるはずだ。

 スキャットとともにブロークンビーツが繰り広げられる「Bugaksanlo」など、最新型のサウンドでありながらも、親しみやいメロディとアンニュイな倦怠感はどこか懐かしさも感じられる。とにかく、他にはないエレクトロ・ポップを聴きたいという方にはぜひお勧めしたい傑作だ。


Text: 栗本 斉

◎リリース情報
『STAY GOLD』
NEON BUNNY
2017/01/18 RELEASE
2,160円(plus tax)