いまに始まったことではないが、ゲームの「チート行為」が止まらない。

「ポケモンGO」
「とびだせ どうぶつの森」
「ドラクエX」
「モンハン」

など、人気のオンラインゲームの多くには、「チートアプリ」と呼ばれる、不正な方法でゲームを有利に進行することができるツールが存在する。

もちろん、運営側は厳しく禁止している行為だ。

チートアプリでパラメータを操作してキャラクターを無敵にしたり、強力なアイテムを手に入れる。たとえば「ポケモンGO」であれば、位置情報を操作し各地のポケストップでアイテムを手に入れることができる。こうしたチートアプリを利用していることがバレれば、運営側からアカウントを停止されるなど、厳しい処置がされることもある。されても仕方のない行為だ。

◎ゲームとチートの関係
コンピュータゲームとチートの関係は根深い。古くは、バグを使った裏技の延長線上として存在しており、PCのゲーム、家庭用ゲーム機でも存在し続けている問題だ。

以前のゲームでのチートであれば、閉じた世界でのことで、自分とゲームソフトの間だけの関係だった。その目的も、チートによってあり得ない技や高得点が出したことを、ゲーム仲間には自慢するといったものだった。
もちろん当時でも、チート行為を賞賛する空気はなかったし、発覚すれば信頼を失ったり、ゲーム仲間を失ったりと、相応の罰も受けた。

しかし、現代のゲームでは、以前よりも被害や悪影響など、問題は遙かに大きくなっている。

現在のゲームは、家庭用ゲーム機にしても、スマートフォン向けゲームにしても、インターネット経由で運営側のサーバにつながり、オンラインでゲームを楽しむスタイルが主流になっている。

そこで問題になってきたのが、一部のチート行為により
・運営側のサーバに想定外の負荷がかける
・「全体のゲームのバランス」が崩れる
・他のプレイヤーにとっての迷惑行為になる
ということだ。

そうしたことから、ゲームを運営する会社側はチート行為を規約などで明確に禁止している。
その一方、「チートは不正ではあるが、法的に違法ではない」とする意見もある。

実際のところはどうなのだろう?
2015年にはオンラインゲーム向け不正プログラムを販売したとして、不正競争防止法違反の容疑で逮捕者が出ている。
2016年にも、チートツールを作成したとして、著作権法違反の容疑、その他「私電磁的記録不正作出及び同共用幇助」に当たるとして逮捕者が出ている。

ちなみに著作権法違反の場合、2012年の著作権法改正で盛り込まれた「技術的保護手段の回避」に当たるとされた。また、後者の「私電磁的記録不正作出」は、いわば不実の電磁的記録の作成により不法に利益を得たということに当たる。これは1987年の刑法改正で新設された条項だ。

つまり、チート行為そのものを罰する法律はないが、実際には、摘発されているという状況がある。

チート行為は、ゲーム運営会社の利益を損なう行為となりえる当たり前の対応と言えるだろう。

◎裏技を教えてもらうようにチートツールを聞く
このように、社会の流れはチート規制に大きく舵を切っている。
また、セキリティベンダーの各社もチート対策業務に取り組み始めている。

では、プレイヤー側はどうなのか?
実は、大手のQAサイトにまで、チートツールの入手先や使い方などを質問する投稿が罪悪感もなく、無邪気にされているのが現状だったりする。

つまり、チート行為が悪いという意識は定着しおらず、ちっとも止まない。

さらに、「チート行為をする人を懲らしめたい」という目的で、チートツールを装ったウイルスをダウンロードさせたことから逮捕者が出るという事例も起きる始末だ。
悪い行為を防ぐために、悪い行為を行う。
ここまで来ると、何が正しいことなのかがよくわからなくなってくる。

しかし、考えてほしい。
遠隔操作ウイルスが仕込まれたり、パスワードを抜き取られたりする類いのチートツールは確実に存在する。
人の弱みにつけこんで……ではないが、ウイルスやパスワードの抜き取りが目的のツールはまずいかに多くの機器にインストールさせるか、だからだ。

チートツール、チート行為に手を出しても何もメリットはない。
なぜなら、冷静になって考えれば、オンラインゲームは運営側のサーバにつながっているので、チート行為は運営側に必ず筒抜けになるからだ。

チート行為は、その根本が発覚する行為なのだ。
運営側からのアカウント停止処分や、最悪、摘発もされかねないことを肝に命じよう。


大内孝子