Doctors Me(ドクターズミー)- クルミが精子の健康をサポート? 正常な精子をつくる6つの生活習慣

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2017年2月28日(火)米国科学振興協会が配信しているサイト「Eurek Alert」にて、男性の精子の質とクルミが大きく関係するといった研究が発表されました。

男性不妊に悩む方もいらっしゃるかもしれませんが、クルミがどうやら精子改善のヒントとなりそうなのです。

今回は研究の概要、精子に関する疾患、健康な精子をつくる習慣などを、医師に解説していただきました。

カリフォルニアで行われたクルミと精子に関する研究


研究内容


カリフォルニア州で行われたネズミを利用した実験で、1日の摂取カロリーのうち19.6%(人間では1日に約70gに相当)をクルミで摂るようにしたところ、精子の運動機能と形態が改善が見られました。

人間での実験でも、健康な成人が1日75gのクルミを食べることで似た結果が得られています。

この実験結果は、精子の細胞膜の主な構成成分である、多価不飽和脂肪酸を傷害する脂質過酸化を減少させる効果によるものであるとのことです。

研究結果による今後の展望


クルミはナッツ類の中でも多価不飽和脂肪酸を多く含んでおります。一般的に飽和脂肪酸よりも不飽和脂肪酸のほうが健康的であるとされています。

この多価不飽和脂肪酸が、精液の運動性や形態を改善する可能性があります。

不妊症の男性でも精液所見の改善が見られるか、妊娠率にも改善が見られるかについては今後の研究が待たれます。

《参照》
・Eurek Alert

正常な精子とは


WHO(世界保健機構)が2010年に定めた精液検査マニュアルによると、 以下のような精子が正常とされております。

■ 精液量:1.5ml以上
■ 精子濃度:1500万/ml以上
■ 総精子数:3900万/ml以上
■ 運動率:40%以上
■ 正常形態精子率:4%以上
(※1回の射精時)

色は乳白色が健康で正常な精子と言えます。

異常な精子とは


精液の色の異常


■ 血精液症
精液に赤い色が混じっているときは、血精液症と呼ばれる血液が混入している症状の場合があり、精嚢や前立腺など精液が通過する場所のどこかから出血していると考えられます。

総精子数の異常


■ 乏精子症
総精子数が少ない場合は、乏精子症と呼ばれる疾患が考えられ、精巣の温度が上がったり、血流が障害される精索静脈瘤が原因のケースが多いです。

■ 無精子症
精液に精子が見当たらない場合は無精子症と呼ばれ、精子が作られているのに通り道が塞がっていて、そこから出られない閉塞性のものと、もともと精子が作られていないものがあります。

運動率の異常


■ 精子無力症
運動率が40%未満の場合精子無力症となり、精子に活発な前進運動を行うものが少ない症状が考えられます。

正常形態精子率の異常


■ 奇形精子症
正常形態精子率が低い場合、奇形精子症となります。 症状のはっきりとした原因は未だ分かっておりません。

しかし、子どもに奇形が生じるなどの影響があるというわけではありません。

精子に異常をきたす疾患


染色体異常


珍しい病気ですが、クラインフェルター症候群などの染色体異常では、体のつくりは男性ですが染色体が一本多くあり、精子を作る機能に問題が出ます。

精巣上体炎


おたふくかぜなどに引き続いて起こる炎症により、造精機能に問題が出ることがあります。

精索静脈瘤


精巣を取り囲む血管に異常が出ることで精子ができにくくなります。 乏精子症の原因のほとんどが精索静脈瘤と言われております。

精子に良い栄養素や食べ物


亜鉛


セックスミネラルとも呼ばれ、精子形成や性欲の維持にも重要と言われています。

■ 含まれる食材
・牡蠣
・赤身肉
・鶏肉
・豚肉
・レバー
・卵
・チーズ
・カボチャの種

セレン


抗酸化作用があり、活性酸素から精子を守ります。精子の頭と尾をつなぐ部分に多く存在しているとされています。

■ 含まれる食材
・イワシ
・カツオ
・アジなどの青魚

アルギニン


血管を緩め、血液循環をよくする作用があり、精子の生成を促進します。

■ 含まれる食材
・レーズン
・豆類

コエンザイムQ10やビタミンE


高い抗酸化作用をもち、アンチエイジングのカギとして知られる栄養素です。

■ 含まれる食材
・動物の臓物
・レバー
・貝類

良い精子を作る生活習慣


精巣の温度を上げすぎない


精巣は腹腔内よりも低い温度のほうが働きやすいため、胴体から飛び出しており、陰嚢の皮膚が放熱の役割をしていると言われています。

サウナや熱いお風呂の入りすぎ、膝の上でノートパソコンを長時間使うなどを日常的に行っていると、精子を作る機能に問題が出る可能性も否定できません。

きつすぎない、風通しのよい下着で精巣の温度をあげないようにしましょう。

精巣に物理的刺激を与えない


股間を強打する、きついジーンズや下着で締め付ける、自転車を長時間こぐことでサドルからの刺激を過度に与えるなど、精巣にダメージを与えるようなことは避けた方が良いです。

精液を貯めすぎない


古い精液を陰嚢内に貯めすぎると、新しい精子の形成に悪影響であるとも言われています。適度に古い精子を放出しておくほうがよいでしょう。

禁煙


喫煙は活性酸素をつくるので、精子にも悪影響をあたえることが懸念されます。

規則正しい生活を心がける


栄養バランスに留意した食事や、十分な睡眠を、過度な飲酒を控えるなど、健康的な生活は精子にも良い影響を与えます。

性病を防ぐ


性病の原因菌であるクラミジアや淋菌は前立腺炎を引き起こし、精子の運動性低下や精液のpHを変化させる可能性があると言われています。

不特定多数との性交渉はせず、妊娠を望まない場合はコンドームを必ず着用、性病の可能性があれば一刻も早く検査、治療を行うことが大切です。

最後に医師から一言


食事から精子の状態を改善できるという根拠が一つ増えました。

パートナーの妊娠を希望されている男性はぜひ今日から取り入れてみてください。

(監修:Doctors Me 医師)