甘いお菓子で頭痛を誘発する人も(depositphotos.com)

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3月もいまごろになると、バレンタインデーにチョコレートをもらった方は、ホワイトデーのお返しをあれやこれやと考えなければいけません。でも、ちょっと待ってください! そのお返しで、頭痛を起こす人がいるのです!!

 ということで今回のは、バレンタインデーやホワイトデーのプレゼントである、チョコレートやクッキーなど、「甘いお菓子と頭痛」の話をしたいと思います。

原因は血管収縮作用がある「チラミン」が

 世の中には甘いものを食べると頭痛を来す方がいるのをご存知でしょうか? 女性の多くは「甘いもの好き」だと思われがちですが、これらの食品で頭痛を来す方がいるのです。

 その原因となるのは「チラミン」という物質です。疫学的調査では、チョコレートのほかに、赤ワイン、チーズなどにチラミンが含まれており、それによって頭痛が誘発される方がいます。

 チラミンを含む食品を具体的に挙げると、チョコレートやココアなどのカカオ製品、赤ワイン、チーズ以外にも、漬け物類、発酵食品、薫製魚、トリの肝臓、イチジク、豆の一部などや柑橘類が知られています。

 では、なぜチラミンによって頭痛が誘発されるのか?

 チラミンには血管収縮作用(収縮作用消失から拡張への反転)があり、その作用によって片頭痛発作が誘発されていると考えられています。

 最近ではお菓子やジュースの人工甘味料も、頭痛を誘発する添加物として報告されるようになってきました。これらの人工甘味料は、ダイエットのために使用されます。しかし、人工甘味料が含まれた食品と知らずに摂取していることもあるので注意してください。低カロリーをうたったお菓子やクッキーに知らずに使用されていることも多いのです。
アルコールによる頭痛の原因とは?

 最後に、食品で最も注意が必要なものはアルコールです。

 アルコールによる頭痛は、摂取後、3時間以内に発現し72時間以内に消失するものを「即時型アルコール誘発頭痛」、5〜12時間以内に発現し72時間以内に消失するものを「遅発型アルコール誘発頭痛」と定義されています。

 一般的に片頭痛は、血管拡張を来す環境下で誘発しやすく、頭痛は血中アルコール濃度が低下ないし消失してから出現することが多いとされています。

 春は歓送迎会の季節ですが、そういう意味でも酒類の摂取には注意が必要で、決して人に無理矢理すすめてはいけません。

 もし、あなたの周囲で、頭痛持ちの方がいたら、食品によって頭痛を来すことがないかどうか、ぜひ聞いてみてください。そこで、頭痛を誘発する食品があった場合には、できるだけ誘発食品を避けることを教えてあげてください。きっとあなたの好感度はup間違いなしです。
(文=西郷和真)

●参考文献
1)Curr Neurol Neurosci Rep. 2016 Nov;16(11):101.
Headaches: a Review of the Role of Dietary Factors.
Zaeem Z, Zhou L, Dilli E.
2) Arq Neuropsiquiatr. 2008 Sep;66(3A):494-9. Trigger factors in migraine patients.
Fukui PT, Gonçalves TR, Strabelli CG, Lucchino NM, Matos FC, Santos JP, Zukerman E, Zukerman-Guendler V, Mercante JP, Masruha MR, Vieira DS, Peres MF.
3)間中信也 : 頭痛大学教養学部「頭痛の原因となる食品」. 先端医学社 2006 pp92

連載「頭痛の秘密がここまで解き明かされてきた」バックナンバー

西郷和真(さいごう・かずまさ)
近畿大学理工学部生命科学科ゲノム情報神経学准教授、近畿大学医学部附属病院神経内科。1992年、近畿大学医学部卒業。近畿大学附属病院、国立呉病院(現国立呉医療センター)、国立精神神経センター神経研究所、米国ユタ大学博士研究員(臨床遺伝学を研究)、ハワードヒューズ医学財団リサーチアソシエイトなどを経て、2003年より近畿大学神経内科学講師および大学院総合理工学研究科講師(兼任)。2015年より現職。東日本大震災後には、東北大学地域支援部門・非常勤講師として公立南三陸診療所での震災支援勤務も経験、2014年より現職。日本認知症学会(専門医、指導医)、日本人類遺伝学会(臨床遺伝専門医、指導医)、日本神経学会(神経内科専門医、指導医)、日本頭痛学会(頭痛専門医、指導医、評議員)、日本抗加齢学会(抗加齢専門医)など幅広く活躍する。