中国ではここ数日、韓国のTHAAD配備に反発して韓国製品のボイコット運動まで起こっているが、その話題と関連して日本が思わぬところで利用されていたことがわかった。

写真拡大

中国ではここ数日、韓国の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備に反発して韓国製品の不買(ボイコット)運動が起こっているが、その話題と関連して日本が思わぬところで「利用」されていたことがわかった。

中国メディア・観察者網によると、中国のネット上では最近、THAAD問題と関連して、ある日本のテレビ番組の画像が出回っていたという。画像は日本人が街頭インタビューを受けているもので、そこには次のような中国語の字幕が付されていた。

「中国人はいつもボイコットをしている」
「中国はすべての近隣諸国と関係が悪いようだ」
「中国人はこれまで自己について振り返ったことも反省したこともなく、ただ相手を敵対勢力のリストに入れるだけ」
「中国は国際社会から批判を受けると、いつも『いかなる言い訳を用いて我々の内政に干渉することは許さない』と言う割に、韓国が自国の安全のために行ったこと(THAAD配備)には、逆にさまざまな言い訳を駆使して韓国の内政に干渉している」
「中国人は多くの概念を発明して、永遠に自分が正しいようにしている。韓国の正当な自衛措置も、中国にとっては『戦略的バランスを損なう』ものになる」

しかし、この字幕は実際の内容とはまったく異なるものだ。画像に使われた日本の番組は、2014年8月18日にテレビ朝日で放送された池上解説塾の中国特集で、実際には「中国と聞いて何を思いますか?」と問われた日本人が「力を持っている」「経済成長」「万里の長城」「パンダ」などと回答していたシーンである。

画像ではこのほか、池上彰氏やスタジオの出演者の発言にも、それぞれまったく異なる中国語の字幕が付けられている。例を挙げると、「中国人の世界観と歴史観は、全て狭隘(きょうあい)な民族主義に捕らわれている」「中国人は日本や韓国が米国に付き従っていることを恥だと思っている。しかし、中国人が言う輝かしい歴史、あちこちから朝貢を受け、多くの属国を有していた歴史については、恥と思うどころかむしろ栄誉だと思っている」などで、その内容は中国を批判するものになっている。観察者網によると、「字幕の99%が間違い」だという。

この画像が7日にネット上にアップされると、多くのユーザーが真に受け、1万件以上のコメントが寄せられた。ただ、中には間違った字幕だと気付いたユーザーも少なくなく、「実際の発言はこの中国語の字幕と全く関係ないものだ」「元になった動画を見た。14年のものだ。偽字幕を付けるにも節度を持て」といったコメントも。また、画像をアップしたユーザーは、これまでにも大量の加工した画像を投稿しており、「君の普段の画像は笑えるけど、今回の目的はいたずらじゃない。デマを流そうとしたんだろう」と批判し、通報を示唆する声も挙がっている。

一方で、「字幕は実際の発言とは異なるが、内容には一理ある」という意見も。「字幕が加工されているからどうだというんだ?(内容は)明らかに客観的な事実だろう。死んでも自分の責任を認めないのは中国人の問題の一つ。中国の近隣諸国との関係は本当に最悪」「この(アップしたユーザーの)アカウントはもともと娯楽用なのに『デマだ』『通報だ』と。中国のような反省や自嘲の精神に欠ける国では、こういうのは長く続かないんだよな」といったコメントがそれだ。中国は近年、ネット上のデマの取り締まりに力を入れているが、この画像をアップしたユーザーもその対象になるのか注目される。(編集/北田)