FC東京でプロのキャリアをスタートさせた廣末。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大

 廣末陸は、なぜ高卒というタイミングでプロになったのか。この1月、高校選手権で青森山田高を全国制覇に導く原動力となったが、プロのキャリアをスタートさせたFC東京ではいわゆる脇役だ。リーグ戦の開幕2試合、廣末はいずれもベンチ外だった。
 
 高卒ルーキーのGKがいきなりJ1のクラブでレギュラーを張るのは至難の業だ。しかも、FC東京には代表クラスの林彰洋、J2で経験を積んできた大久保択生と実績十分の猛者がふたりもいる。
 
 バックアッパーからのスタートになることは、おそらくFC東京に加入する前から分かっていたはず。だからこそ、冒頭の疑問が頭に浮かぶ。大学に進む意思はなかったのか、と。
 
 ちょうど本人と話す機会があったので、こう訊いてみた。
 
「あれだけ選手権で脚光を浴びたのに、次のステップを考える時に“正GK”にこだわらなかったのか。たったひとつしかレギュラーポジションがないGKで、しかもプロ1年目から試合に出るのは難しいですよね。それでも、FC東京入りを決意した最大の理由は?」
 
すると、廣末は少し笑みを浮かべながら次のように答えた。
 
「大学という選択肢がなかったわけではない、正直。ただ、東京オリンピックを考えた時、2020年を大学生で迎えるのか、プロとしてある程度経験を積んでから迎えるのかを考えた時、自分はプロになることがベストだと思いました。
 
 僕も本当は1年目から試合に出たい。そういう思いでプロになったんですけど、そう甘くないことも十分理解していた。ただ、オリンピックを意識した時、自分が一番成長できるところはプロの世界だと思いました」

 当面の目標は、2020年。東京五輪では主役級の輝きを放ちたい。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)