選手たちに所属クラブでの試合出場を求めているハリルホジッチ監督。次の招集メンバーが気になる

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その決断は吉と出るか、凶と出るか−−。今冬、移籍が取り沙汰された日本代表候補たち、その後の活躍期待度をまとめてチェック。

3月下旬にW杯アジア最終予選の重要な2連戦(UAE戦、タイ戦)を控えるハリルジャパンにも大きな影響を与えそうだが…。

■清武には明るい未来が待っている!

今冬の欧州サッカー移籍市場で、その去就に注目が集まっていた日本代表候補選手たち。ある者は新天地を求め、ある者は残留の道を選んだわけだが、そんな彼らの決断の是非と、今後の活躍期待度をまとめてチェックしてみたい。

まずは、わずか半年でセビージャ(スペイン)を去り、古巣のC大阪に復帰した清武弘嗣(ひろし)から。スペイン在住のサッカージャーナリスト、山本孔一氏が、セビージャ時代の清武が現地でどう評価されていたかを語る。

「セビージャは中盤の選手がだぶついていた上、同じポジションを争うナスリ(元フランス代表)の存在があまりに大きすぎました。あのまま清武が残留していても出場は厳しかったでしょう。でも、彼は現地のファンからしっかり認められていましたし、クラブ側も彼の能力を高く買っていて、放出するつもりなどありませんでした。

それでも移籍を志願した清武の希望を聞き入れ、獲得オファーが届いたドイツ、アメリカ、日本のクラブのなかから、セビージャが設定した額の移籍金を支払えるC大阪へと送り出した、という流れです」

クラブに評価されていたのなら、もう少し辛抱していてもよかったのでは?とも思えるが、そこはプロの世界。サッカージャーナリストの後藤健生(たけお)氏が言う。

「出場機会がないのは選手にとって最悪の事態。移籍を考えるのは当然です。日本に戻ったほうが確実に試合に出られるわけだし、ましてや勝手のわかっているC大阪であれば、よりプレーしやすい環境でやれる。ケガさえなければ、今季のJリーグで活躍することは間違いないでしょう」

スタメンを勝ち取りつつあった日本代表での地位を確立するためにも、清武のC大阪復帰は正解だった?

「代表で長く実績を残してきた選手ならともかく、ハリルホジッチ監督の最新の優先順位では、試合に出ていない清武が選ばれる可能性は決して高くない。その意味ではJ復帰によって、彼が監督の評価対象のなかにとどまったとはいえるでしょうね」(後藤氏)

その清武と入れ替わるようにスペインに渡ったのが、柴崎岳(テネリフェ)である。ただし、当初確実視されていたラス・パルマス入りが急転直下で破談になり、結局移籍が決まった先は2部のクラブだった。それも移籍金なしの半年契約…。

「日本のサッカーファンのなかには、ラス・パルマスとの契約がまとまらなかったから、スペインならどこでもいいと慌てて次のクラブを探した結果、柴崎のことをろくに知らないような2部のクラブになんとか潜り込んだと思っている人がいるようですが、それは違います。

テネリフェのマルティ監督から直接聞きましたが、以前から代理人を通してクラブに柴崎の売り込みがあり、試合映像をチェックしたところ、チームにいないゲームメイクのできる選手だと興味を持っていたようです。

そこへラス・パルマス入りが破談になり、次いでドイツやトルコのクラブとも契約がまとまらなかった柴崎サイドからテネリフェに話が持ち込まれたので獲得を決めたというのが真相です。だから、柴崎はクラブからかなり期待をかけられているんです」(前出・山本氏)

だが、テネリフェが戦っているその舞台が懸念材料となりそう。サッカージャーナリストの西部謙司氏が語る。

「どの国でも2部以下のリーグはフィジカル任せのサッカーが幅を利かせています。当たりに強いわけではない柴崎が、そのなかでどこまでやれるかは未知数。そして中盤で周りの人を動かす役割の彼にとって、日本のサッカー観とスペインのサッカー観の違いを理解することは不可欠なのですが、スペイン語もできず、しかもシーズン途中で合流する彼がチームで機能するのは容易なことではありません。逆にそこを乗り越えられれば、彼の技術レベルならチームのいいアクセントになれると思うのですが」

テネリフェでもまれ、活躍すれば、2015年以来遠ざかっている日本代表入りも見えてくる?

「かつて松井大輔(磐田)がフランス2部リーグのル・マンでプレーし、持ち前の技術に加えてフィジカルが鍛えられた結果、代表の貴重な戦力になりました。同様に柴崎もひと皮むければ、トップ下のポジション争いに加われるかもしれません」(西部氏)

◆残留を選んだ選手達にも注目! ミラン残留の本田圭佑の代表招集は…この続きは明日配信予定!

(撮影/ヤナガワゴーッ!)