あるロッテマートは違法広告の疑いで突然4万4000人民元の罰金を科せられた。(大紀元資料室)

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 韓国ロッテグループがTHAADミサイルシステムに敷地を提供したことを受けて、中国国営メディアが韓国商品のボイコットをあおっている。しかし「愛国主義」を掲げ破壊行為を行う過激派はごく一部であり、多くの一般市民は冷静だ。共産党青年団や共産党系メディアが反韓を大々的に扇動したため、共産党を支持し宣伝に乗って破壊行為を行う者と冷静な市民がはっきりとした対比を成している。

ロッテボイコットを扇動する共産党メディア

 中国新華社通信は27日、「中国はこのような『ロッテ』を歓迎していない」という文章を掲載した。人民日報海外版SNSアカウント「俠客島」は同日、「韓国にサードが配置されると、中韓関係は準断交の可能性を排除できない」と脅し、また中国青年報は3月1日、「国家の利益の前で、私たちはロッテに『No』と叫ぶ」という評論を発表した。

 他にも中国江西省共青団の微博(ミニブログ)アカウントには、「ロッテ店舗の完全なリストができた!みんなに知らせよう!」と題する投稿があり、中国のロッテ事業所の一覧名簿が公開された。新浪微博などのソーシャルメディアでもロッテのボイコットはホットな話題となっている。

商業と政治は別の問題=冷静な声も

 ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が北京の街中で市民にインタビューをした結果、市民は、2012年の反日デモの際にもボイコットや反発を誘導する事態があり、暴力行為が蔓延した事実を取り上げた。

 北京市民の彭さんは、「商業と政治は別の問題で、当時の日本製品をボイコットしたことは実質的に必要のない措置であった。当時の中国人が日本製の自動車を壊したことは事実上、中国経済に悪影響を与えることだった」と述べた。

 同じく杜(女性)さんは、「日中関係がいくら悪くなっても、中国での日本商品の生産量が減少したり、日本企業が中国で倒産するような状況は発生したりはしませんでした。日本に反対する運動を展開しても本当に問題を解決することができなかった」と述べた。

 SNS上では「中国が東北地方に韓国の軍事活動を監視できるレーダーを設置したにもかかわらず、韓国は反発しなかった。なのに韓国が防御用のTHAADを配置することに中国はなぜそのように反発するのか。北朝鮮が核実験を行って、ミサイルを撃つことはしてもよいのに、韓国には防衛する権利すらないのか」として反韓を煽るメディアや過激な「憤青」(怒れる若者) に強く反論した。

 また他のユーザーは、「(ボイコット行為は)ロッテが雇用した中国人に被害を与えることにほかならない。以前にも西安で日本車や日本製品の店を壊そうとしてこのように寄せ集め式で被害を与えたことがあったが、最終的に損をするのは私たち中国人だった」と述べている。

 しかし一部の過激な人たちは反韓行為をさらに深化させている。オンラインコミュニティ・天涯論壇は、「ロッテが中国の炊飯器を壊そうとするのであれば、私たちもロッテの店を壊すだろう」などの記事を掲載し、韓国の店をつぶすことを扇動している。

中国各地で襲われる韓国産自動車

 

 中国江蘇省啟東市のネットユーザーは自分の友人が運転する韓国産キャンピングカーが群衆の攻撃を受けたという記事を掲載した。写真には少なくとも2台の車が攻撃を受け車のドアと後半のガラスが割れており、そのうち一台のキャンピングカーにはスプレーで落書きが塗られていた。また、ネットユーザー「米国カントリーミュージックブログの所有者」は2日、自分のSNSに「愛国軍団」が地域内のロッテマートで赤い横断幕を取り出し韓国のTHAAD配置に対する反対デモを行ったことを投稿した。山東省濰坊市で撮影された写真には、憤慨した男が破壊した韓国車と共に映っている。

 これに対し、次のようなブラックジョークがネットでは流れている。「韓国車が一番多いところは公安局らしい。壊すなら公安局のパトロールカーを壊せばいい。それができないなら真の男ではない」と。

ロッテ中国公式サイト、ハッキングで完全麻痺

 3月2日、ロッテグループの免税店公式サイトのページがすべて麻痺した。ロッテグループはハッカーのIPアドレスが中国であると明らかにした。北京のロッテマートは、許可を受けていない医療美容関連のポスターが掲示してあるという理由で4万4000人民元の罰金を科された。ロッテが中国で運営するスーパーやデパートなどは衛生、消防方面で大々的な検査を受けており、いくつかのロッテ傘下の食品会社のインターネット販売代理店は定期検査で突然事業不可判定を受けた。

 遼寧省瀋陽市には大型韓国商品店が入っている。これらの商店街の大半は現在の状況と今後の影響については楽天的に捉えている。中国人の日常生活において韓国商品の占める割合が非常に高いため、彼らは今の状況が一時的で時間が経てば正常に戻るのではないかと考えているようだ。

(翻訳編集・斎潤)