1月から朴大統領を支持する保守層が急激に増加。反対派との世代闘争は激化する一方だ

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「内乱が起きるのではないかと、本気で心配しています」(韓国紙在京特派員)

朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾をめぐり、賛成派と反対派のバトルが激しさを増している。今年に入り、朴大統領を支持する保守層が活気づき、各地で大規模な大統領弾劾阻止のデモを繰り広げているためだ。

「昨年までは、100万人規模で人が集まる弾劾賛成デモに比べ、朴大統領を支持する保守層のデモはせいぜい数万人ほどでした。ところがこの1、2ヵ月、急に多くの人々がデモに加わるようになったのです。特に3月1日にソウルの光化門広場であったデモはすごかった。参加者は数十万人を超えていたと思います」

なぜ、急に増えたのか? 韓国大使館員が説明する。

「原因はふたつ。ひとつは金正男(キム・ジョンナム)暗殺です。この事件で、兄の正男を殺害しなくてはならないほど、金正恩(キム・ジョンウン)の統治が不安定になっているのではとの疑念が韓国内で広がっています。だとしたら、国内の不満を外部に向けようと、金正恩が韓国に軍事的挑発をかけてくるかもしれない。大統領弾劾などしている場合かと、焦りを強めた保守層が大挙してデモに参加しているのです」

もうひとつは?

「サムスン御曹司の摘発です。2月17日、李在鎔(リ・ジェヨン)サムスン電子副会長が、朴大統領側への贈賄容疑で逮捕されました。サムスングループは韓国GDPの2割強を稼ぐ企業体。その御曹司の逮捕で、韓国経済はグラついています。そこで株価や通貨レートに敏感な保守層を中心に、大統領弾劾はさらなる経済難をもたらしかねないと、弾劾反対の動きが拡大しているのです」

だが、こうした動きを朴大統領弾劾賛成派が指をくわえて眺めているはずがない。

「反対派に対抗して同じ3月1日、やはりソウル市内で大規模な集会を開いたのです。慌てたソウル市警は反対派のデモを午後2時から4時まで、賛成派のデモを午後5時から7時までと、時間帯を分けて許可することで、辛うじて衝突を回避させたのですが、それでもあちらこちらで小競り合いが発生してしまいました」(前出・特派員)

弾劾反対派は50代から60代の高齢者が多く、賛成派は20代から30代の若者が多いという。大統領弾劾をめぐる両派の対立は世代間抗争の様相を呈しつつある。

弾劾の可否が決まるXデーは3月10日頃とされている。賛成派、反対派とも妥協の様子がないだけに、Xデーは流血騒ぎになってもおかしくない。当分、韓国旅行は控えたほうが無難だろう。