世界一のレストラン「NOMA」が“皿洗いの男性”を共同経営者に指名、その理由が深い

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英雑誌「レストラン」が毎年発表している「世界のベスト・レストラン50」を2010年から3年連続で受賞し、2014年にも再び受賞。さらにミシュランガイド2つ星に認定されている、まさに“世界一”のレストランのひとつが、デンマークの首都コペンハーゲンにある。

それがNOMA(ノーマ)だ。2015年1月には、マンダリン・オリエンタル東京に5週間の期間限定で出店。ドキュメンタリー映画が制作されるほど話題になった。

そんな世界一の店が、料理以外で注目を集めている。

共同経営者に指名したのは“皿洗い”の男性

2月28日、NOMAを支えるシェフであり共同出資者であるレネ・ゼレピさんはインスタグラム上で新しい共同経営者3人を紹介した。

▼「古いNOMAと別れを告げ、新しい一歩へと踏み出すのだ」とのコメントと共に公開された写真

新しい共同経営者は、ラウさん、ジェームスさん、そして写真右端のアリ・ソノコさん(62歳)の3人。アリさんはNOMAで13年以上に渡って皿洗いを担当している、ガンビアからの移民だ。

レネさんはこの発表を「NOMAを始めてから最も幸せな瞬間のひとつ」とコメントしている。

アリさんが共同経営者になった理由

レネさんはアリさんを「NOMAの心であり魂」と表現。今回の人事はレネさんが中心となって、スタッフや友人たち250名を招いて開かれたパーティで発表されたとのこと。

2月26日付のデンマークの新聞Berlingskeでは、このときのレネさんのスピーチを紹介している。

アリさんのような人が仲間にいる価値を、あまり人々は重視しないよね。12人の子どもがいて、生活は苦しいはずなのにいつだって笑顔なんだ。私の父もアリって名前だった。彼がデンマークに来たときにも、皿洗いとして働いていたよ

レネさんの父親もマケドニアからやってきた移民。父の姿とアリさんを重ねているようだ。

共同経営者としてどのくらいの利益がシェアされるのかは、残念ながら公表されていないが、このスピーチを聞く限りは12人の子やアリさんが苦労しなくて済むのではないかと期待できる。

「知っている中で最も幸せな男」

レネさんは2015年1月にこんな投稿を公開している。

▼「皿洗いのアリは、知っている中で最も幸せな男だ。過去11年間、隣で働いてくれてありがとう。僕らが君に注ぐ愛は無限だ!!」

このハッピーな動画は、日本の店舗で撮影されたもの。日本の店舗の予約は1日で埋まり、日本国内だけではなくアジア各国やドバイなどの美食家たちがその味を楽しんだという。

世界一のレストランとして、多くの人を楽しませてきたNOMA。アリさんは確かに、この店の「心であり魂」なのかもしれない。