女ピン芸人、ブルゾンちえみさんが働くアラサーに人気です。
とくに、アラサーがこぞって「おもしろい」「大好き」と言うのは、ブリリアンというシュッとしたイケメンの芸人さんふたりを従えた「ブルゾンちえみWithB」というユニットでのネタ。

白シャツに黒のタイトスカートというキャリアウーマン風のスタイルに身を包んだブルゾンさんが、恋に悩む職場の後輩女性に向けて「(いい男は)探さない。 待つの。」「じゃ、質問です。味のしなくなったガムをいつまでも噛み続けますか?」などとアドバイスしたあと、イカした音楽に合わせて、3人でセクシーなダンスを魅せるというもの。ゲラゲラというよりは苦笑い。ジワジワとしたおかしみを湧きあがらせる構成で、ひとネタ終わるまで目が離せません。

これを一緒に見ていた女のもやもやセラピーの担当編集女史が、「この人って、女に嫌われないタイプだよね〜」と言うので、今回は、そこにちょっと食いついてみようと思います。

ブルゾンちえみさんが女に嫌われない理由。それはなんといってもバランスのよさでしょう。見た目もネタも。

まず、声とやかましさのバランス。ブルゾンさんの声は、落ち着きがあって、少しだけ高め。しかも、ハリがあってよく通ります。誰からも好かれる声なんです。だから、やかましくしゃべっても耳心地がいいんです。

そして、顔立ち。まっとうな美人ではないけれど、愛嬌がある彼女の顔は「応援したくなる顔」です。

彼女を見ていると、学生時代「ちえみちゃん」と呼ばれていた知人のことを思い出します。そのコがどうしてちえみちゃんと呼ばれていたかというと、ドラマ『スチュワーデス物語』(TBS系)時代の堀ちえみに似ていたからです。

公式サイトにもブルゾンさんの本名が書いていないのでわからないですが、まぶたが重ためで頬骨がぷっくりしている彼女は、「ドジでのろまな亀」だった堀ちえみと同じ系統の顔です。ネタではカッコつけていても、なんだか目がおどおど、恐縮している。ドキドキしながら一生懸命演じているようにみえる。頑張っている感じが出やすい顔立ちなんだと思います。だから、皮肉めいたことを言っても、カチンとくることがない。

さらに、海外の人が好むアジア人系メークと、帰国子女っぽい、むっちりとした体型で踊るセクシーなダンスも絶妙なバランスを保っています。

ポールダンスやストリップ、はたまた『シカゴ』や『キャバレー』といったブロードウェイミュージカルなどで繰り広げられるセクシーなダンスは、「わぁ〜カッコイイ〜」とうっとり思うより前に、気恥ずかしさのほうが先に出てしまいがちです。「あらま、大胆……!」みたいな。
でも、それがパロディーになると、直視できる。むしろ見たい。ドリフでカトちゃんがピンクのスポットライトを浴びながら「ちょっとだけよ〜」と脚を出していた80年代から、エロをパロディーでお茶の間に届けるという手法は親しまれ、愛されてきたのです。
ブルゾンさんのネタは新しくて懐かしい。フレッシュだけど既視感がある。そこもいいんだと思うのです。

しかも、働くアラサーとアラフォーの女性は、できる女風の女性に、できる女を気取って上から目線で説教されるのが大っ嫌いなんです。
直接被害にあって、「わぁ、腹立つわー」という気持ちを腹の底で沸騰させるもあるし、別の人が被害にあっている場面に遭遇しても、「ひゃー引くわー」と目を丸くしたりすることもよくあります。だから、それが笑いのネタとして遡上されると、ニヤリとできるんです。

また、一方で、人生がうまくいっていなくて、同性の先輩からアドバイスをされたいと思っているアラサー女性も一定数存在します。そんな人たちには、リアルにブルゾンさんのアドバイスが耳の届くようです。「生真面目にアドバイスされるよりも、ちょっとふざけた感じの中で核心を突かれて勇気をもらえる」という声もあります。このキャリアガール恋愛指南ネタは、できる女風が大嫌いな人にも、それを頼りにしている人にも、どちらからも好かれるネタだといえましょう。

だから、ブルゾンちえみさんは女から嫌われません。イロイロ学びたいところがあります。まずはボイトレ? そして、話し方、さらに愛嬌……。
しかし、なんということでしょう。ブルゾンちえみさんを「何がおもしろいんだかわからない」「苦手」「平野ノラのほうが好き」という男性が少なくありません。ブルゾンちえみさんがイケメン男性ふたりを従えている姿に、コンプレックスを刺激されるんでしょうか。
いや、本心はもっと別のところにあるようです。

ふざけたエロは日本人の大好物。

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