人気漫画家・柴門ふみ先生の「Suits-woman」の恋愛相談が『恋愛サバイバル 真面目女子篇』(文藝春秋)という本になりました!

『恋愛サバイバル 真面目女子篇』柴門ふみ

これを記念し、恋愛相談が復活!「真面目な人に恋愛は不利」という意見を持ち、愛あるメッセージを送ってくださる柴門先生に、堅実女子が恋愛の悩みをぶつけました。

質問者は、IT関連会社で、知的財産の版権処理する部署で働く松本和香さん(仮名・31歳)。彼女は今話題の高齢処女でもあります。その心に秘めた悩みとは……

「柴門先生、はじめまして。『恋愛サバイバル』拝読しました。本を読んで感じたのは、「みんな恋愛していてうらやましい」ということです。

私はおそらく、話題の高齢処女です。19歳の時に大学の同級生と未遂をしたことはあります。彼のアパートに行ってお互いはじめて同士で頑張ってトライしたけれどできなくて、なんとなく気恥ずかしく、その相手とはうやむやになってしまいました。

その後、男性と恋愛するチャンスはあったのですが、リアルに至っていません。

もともと少女マンガが大好きで、潔癖なところがあるので、ブサイクな男性や、不潔な人、ギャンブル好きなひとや、ぶっちゃけ転職を繰り返す男性が苦手です。あと、太った人、頭が薄い人も嫌です。

加えて言うと、外国人男性にも偏見があって、友だちならいいのですが恋愛関係になるのはとてもムリ……。
不倫の恋に憧れはありますが、自分がするとなったら言語道断だと感じます。

でも、結婚して子供を産みたい。どうしても子供は産んでみたいと思います。

そうなるまでには、乗り越えなくてはいけないハードルが多数あって、前途多難だと感じます。まず、男性に出会う、恋をする、男性と交際を開始する、エッチする、交際を続ける、結婚する……どれもこれも、自分にとっては高すぎるハードルです。

きっと私には、見えないハードルがたくさんあるのだとも思います。これを具体的に指摘していただき、なんとか私が高齢処女を卒業し、結婚して子供を産むためのアドバイスをお願いしたいのです。

そう思ったきっかけは、5歳年下の妹が最近、デキ婚をしたことです。福井県の実家の両親が“お姉ちゃんより先はダメよ”と言っていたみたいですが、妹はそれを強行突破しました。

もう、がんじがらめになってどうしていいかわからないのです。

合コンなどにも参加するのですが、ムリ目な男性ばかりがやってきて、途中で帰ってしまうこともしばしばなのです……」

柴門先生からのアンサーは……!?

現在31歳のあなたには、人生の優先順位を決めることが重要だと思います。そのために、

1.どうしても、やっておきたいこと。
2.どうしても、嫌なこと。
3.できればこうあって欲しいこと。
4.できれば避けたい嫌なこと。
5.どちらでもいいこと。

今現在あなたがもやもやしていることを書き出し、上記の5つに分類分けしてみてください。

「結婚して子供を産みたい」は、「1」ですよね。

「太った男と交際する」は、「4」ですか? それとも「2」ですか?

しかし今、痩せていてもたいがいの男は中年になると太ります。結婚してみて、突如夫が太りだしたら、あなたは彼のことを嫌いになりますか?
同様に、半分以上の男は、年をとるとハゲます。日本人だと思って大恋愛した男性が外国籍だったりすることもあります。

つまり、

「痩せていて、髪がふさふさで、同じ国籍」

と思って結婚した相手が、結婚後に太り、はげ、なぜか外国籍に変更したりすることもあります。

私がお伝えしたいのは、条件をクリアした男性と思って結婚しても、そんなことはあっけなく崩れ去ってしまうかもしれないということです。
だったら、いっそ、すべての条件を手放して、人柄だけで男性と向き合ってみてはいかがでしょうか?先入観と思い込みが、あなたの恋愛、結婚、人生を縛っているのだと思います。
そしてそこが一番大きな問題だと思います。

男と出会い恋する→交際→エッチ→結婚 という風に、結婚までの過程を、小説や映画、漫画にありがちなパターンでしかとらえていない点も気になります。

妹さんができちゃった結婚したように、現代はもうなんでもアリなんです。時代がかった恋愛パターンにこだわっていると、あっという間に時間ばかり浪費してしまいますよ。ロマンチックな願望はフィクションの中だけにとどめ、31歳のあなたは現実を生きて欲しいと思います。

母体を考えると、妊娠は若いに越したことありません。つまり、「結婚して子供を産みたい」が最優先課題であるなら、

「ギャンブルをしない」「清潔な」「安定した職に就いている」男性を紹介してもらい、お見合いすることが、一番現実的な道です。

エッチは、結婚してから旦那様と思う存分やりつくせばいいことです。初体験の年齢や、相手の容姿なんて、性の充実度とは何の関係もありません。

分類分けの、「2」「3」「4」「5」なんて実はどうでもいいことなのです。

最優先課題さえクリアできれば、人生は充実します。

そうすれば20年後、「イケメンと恋をしてデート・初エッチして結婚、なんて別に人生で経験しなくてもいいことだったんだなあ」と、50歳過ぎたあなたはきっと気づくはずです。

30代はあっという間に月日が流れる。結婚し、子供を産みたいと思うなら1日もムダにできないと考えたほうがベター。



■賢人のまとめ
ロマンチックな願望はフィクションの中だけにとどめ、31歳のあなたは現実を生きてほしいと思います。

■プロフィール

恋愛の賢人 柴門ふみ

漫画家、エッセイスト。
『東京ラブストーリー』『あすなろ白書』(小学館)などのヒット作を連発し“恋愛の教祖”として人気を博す。近著に『東京ラブストーリーafter25years』『老いては夫を従え』(共に小学館)など。故郷の徳島市観光大使も務める。夫は漫画家の弘兼兼史。