2月の「チャイナリスク」関連倒産は6件(前年同月比53.8%減)と、3カ月連続で前年同月を下回った。負債総額は56億9,900万円(同11.8%増)だった。
 2016年4月〜2017年2月累計は81件(前年同期比22.8%減、前年同期105件)と大幅に減少した。2016年度(4-3月)は、前年度の121件を下回るのは確実な情勢で、2016年末から沈静化が目立ってきた。
 なお、倒産に集計されないが事業停止や破産準備中などの「実質破綻」は、2月は1件発生した(前年同月は6件)。


  • 「チャイナリスク」関連の集計基準
    「チャイナリスク」関連の経営破綻は、破綻の原因が次の8項目のどれかに該当するものを集計している。
    1. コスト高(人件費、製造コストの上昇、為替変動など)
    2. 品質問題(不良品、歩留まりが悪い、模倣品、中国生産に対する不信など)
    3. 労使問題(ストライキ、工場閉鎖、設備毀損・破棄など)
    4. 売掛金回収難(サイト延長含む)
    5. 中国景気減速(株価低迷、中国国内の消費鈍化、インバウンドの落ち込みなど)
    6. 反日問題(不買、取引の縮小、暴動など)
    7. 価格競争(中国の在庫調整に伴う相場下落、安価製品との競合など)
    8. その他

チャイナリスク関連倒産月次推移

 3月5日に開幕した全国人民代表大会(全人代)で李克強首相は、2017年の国内総生産(GDP)の成長率は6.5%前後を目標にすると表明した。2016年目標は6.5-7.0%、2016年10-12月の実績は6.8%だっただけに、事実上の「引き下げ」と受け止められる。
 ただ、中国指導部は2020年までに2010年比較のGDPを倍増させ、国内で深刻化している格差是正に努める姿勢を鮮明にしている。これは中国国内での賃金上昇も含むとみられ、コストダウンを見込んで中国に進出した日系企業には大きな痛手になる可能性もある。
 昨年末からチャイナリスク関連倒産は大幅に減少しているが、倒産要因は人件費高騰などの「コスト高」が依然として多いのが特徴だ。中国の格差是正策が本格化すると、消費が上向くことが期待される反面、人件費の高騰などによるコストプッシュが一段と強まる。
 中国国内の景気動向によっては、コストプッシュが先行する形になりチャイナリスク関連倒産が再び増加に転ずる可能性を残している。