イラク・モスル東部の地下トンネルで発見された遺物(2017年3月6日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】暗闇の狭いトンネルの迷宮を四つんばいで進むと突然、翼の生えた巨大な雄牛が2頭現れる──イラク北部モスル(Mosul)の地下で損傷がほぼない状態で発見されたアッシリア帝国時代の遺物だ。

 モスルでイラク軍によるイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」掃討作戦が激化する中、この貴重な遺物をトンネルから発掘するのは時間との闘いになるだろう。

 ISは2014年7月、イスラム教徒とキリスト教徒の双方が崇拝する預言者ヨナ(Jonah)の墓とされるナビ・ユヌス(Nabi Yunus)聖廟(びょう)を爆破し、埋蔵品を略奪するためにこの迷路のようなトンネルを掘った。

 モスルのあるニナワ(Nineveh)州の遺跡群の保護に当たっているレイラ・サリ(Layla Salih)氏は、トンネルが「今にも完全に崩落するのではないかと不安だ」と語る。小さな崩落が毎日起きているという。

 イラク当局がこのトンネルを発見したのは、1月末にモスル東部をISから奪還した後。ISはここから略奪した遺物を闇市場で売りさばこうとしていた。

 サリ氏によれば、遺物の年代はアッシリア帝国時代の紀元前8世紀までさかのぼり、エサルハドン(Esarhaddon)王の宮殿にあったものだという。エサルハドン王がこの地域を統治していたことは、イラクの考古学者らには知られていた。

 ISは2014年にイラクの首都バグダッド(Baghdad)北西部に至る一帯を制圧した後、同国の遺跡や宗教施設を次々と破壊。紀元前13世紀に建設され、アッシリア帝国の栄華を象徴する古代遺跡の町ニムルド(Nimrud)をブルドーザーやつるはし、爆発物で破壊するなどの衝撃的な場面を撮影し、インターネットに投稿していた。
【翻訳編集】AFPBB News