旭山動物園・冬場のエゾタヌキ(2017年2月撮影)

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今回のテーマは「エゾタヌキ」。キタキツネやエゾヒグマ同様、北海道で見られる動物ですが、その二つに比べると印象は薄いかも知れません。「北海道」のイメージ映像に出てくるのってキタキツネが多かったりしますし、エゾヒグマは「国内最大の陸上哺乳類」としてインパクトも強いし……。でも、エゾタヌキにも見どころはあるんです! エゾタヌキファンの私が、じわじわくるエゾタヌキの魅力ポイントをお伝えしますね。

旭山動物園・北海道産動物舎で飼育するエゾタヌキのペア/(C)旭川市旭山動物園

旭山動物園の北海道産動物舎には、2011年生まれのメスと、2012年生まれのオスのペアが暮らしています。

まずは、エゾタヌキの基本情報を。

エゾタヌキはほぼ完全な夜行性で、通常森林で生活しています(車で夜、峠道を走っているとたまに見かけることがありますよ)。自ら巣穴を掘ることは少なく、自然にできた穴やキツネの古巣を利用。雑食性で、カエルやミミズ、昆虫などを食べます(狩りは苦手なのだそう)。

生息エリアが似ているキタキツネも同じようなエサを食べますが、キタキツネは主に昼間行動しているので、エゾタヌキとかち合うことはないのだとか。うまくできてますねぇ。

「巣穴はあまり掘らない」「狩りは苦手」というあたり、ぐっときます。

そして、ここからがさらにぐっとくるポイント1つ目。夏と冬で、がらっと見た目が変わります。

エゾシカやホッキョクギツネなど、耐寒性を高めたり、保護色に変化する動物はほかにもいますが、エゾタヌキも結構変わるんです。冬はエサが少なくなるため、秋のうちに皮下脂肪を蓄え、耐寒のため毛もふかふかに。冬の、ふくふくとした丸い姿は1時間見ていても飽きませんね。ちなみに旭山動物園で見ていると、なぜか2匹が追いかけっこしているように延々回り続けているんですが、あれもなんなんでしょうね。かわいいからいいんですけども。

2つ目のポイントは、「タメフン」なる習性。フンを特定の場所にする、という行動です。

主に家族が利用するようなのですが、共同のタメフン場を利用し、なわばり宣言や情報交換をしていると考えられています。大きなものだと直径1メートル、高さ10センチにもなるのだとか。人間でいうとトイレで情報交換している、という感じなのでしょうかね? 確かに、女性もよくトイレで密談したり、男の人も並んで用をたしたり、ちょっと分かる気がします。全然違うのかも知れませんけど。

3つ目のぐっとくるポイントは、よくアライグマと間違えられる、というところ。

いやぁー、これがそっくりですからねぇ。レッサーパンダを見て「ラスカルだー」なんて声を上げる方もいるようですが、おそらくそれ以上に間違えられているかと……。見分けポイントは、2点。「眉の間に黒いスジ」があり、「ヒゲが白い」のがアライグマです。

アライグマは「アライグマ科」なんですが、タヌキは「イヌ科」。そのためか、アライグマはやや前のめりに歩き、エゾタヌキは犬のようにまっすぐ歩きます。ちなみに、エゾタヌキと違い、アライグマは本来日本にはいなかった「外来種」。北海道産動物舎ではこういった「外来種」と「在来種」の比較展示をしていて、エゾタヌキの隣にはアライグマが展示されています。じっくり見比べてみてはいかが? アライグマについては、また別の機会にゆっくり紹介しますね!

どうですか? エゾタヌキのこと、気になり始めました? エゾヒグマ、エゾシカだけじゃない北海道産の動物だらけの「北海道産動物舎」に、ぜひ立ち寄ってみてくださいね!

※写真提供(一部):旭川市旭山動物園

【北海道ウォーカー/出村聖子】