文在寅氏は2016年7月に竹島に上陸した 時事通信フォト

写真拡大

 韓国の次期政権は極左政権になることが確実な情勢だ。親北姿勢が強まることで統一へ近づく朝鮮半島に、ジャーナリストの室谷克実氏は、北朝鮮と韓国の連合が日本に牙を剥く危険性を指摘する。

 * * *
 朴槿恵スキャンダルを機に大混乱が続く韓国では、憲法裁判所が朴大統領の弾劾が有効と判断すれば、5月中旬の大統領選挙実施が予想される。

 最有力候補と目されるのが最大野党「共に民主党」(以下、民主党)の文在寅・前代表だ。

 日本にとって厄介なことにこの男は筋金入りの反日・親北主義者である。元々は人権派弁護士だったが近年、言動が過激化し、大統領の弾劾についても昨年12月、「棄却なら革命しかない」と語った。言ってみれば、“福島みずほの男版”が韓国の大統領になるようなものである。

 文在寅の「思想」を示す傍証は枚挙にいとまがない。

 2007年、盧武鉉政権で大統領秘書室長を務めていた文在寅は、国連の北朝鮮人権決議案の採択を前に、北朝鮮に“お伺い”を立て韓国は決議案に棄権した。

 2016年には韓国が実効支配する竹島に上陸し、芳名録に「東海のわが領土」と書き込んだ。同年末、釜山にある日本総領事館前に慰安婦像が建てられると、ツイッターで「少女(慰安婦)像は生きた歴史教科書。市民の像設置は本物の独立宣言だ」とつぶやいた。こんな男が次の大統領に就こうとしている。

 この先、韓国で極左の文在寅政権が誕生すると、日本に多くの厄災が降りかかってくる。日本は「慰安婦像を撤去せよ」などと呑気なことを言っていたら痛い目にあう。「最終的かつ不可逆的な」決着を謳った2015年末の慰安婦問題の日韓合意について、文在寅は「両国間に真の合意はなかった」と主張しており、大統領就任後に合意の破棄(無効)宣言をすることは間違いない。実際、この男は「日韓合意は朴槿恵の親友・崔順実が指示したものだから無効」という、法律家出身とは思えない論法を披露している。

 日韓合意破棄宣言の後、韓国は国連人権委員会などで慰安婦問題を蒸し返し、「反日教」の信者にとっての「御本尊」である慰安婦像を米国、豪州など世界各地に設置することを目指すだろう。

 海外だけでなく、過激派と朝鮮総連人脈が渦巻く沖縄に乗り込み、沖縄本土に慰安婦像を設置することも十分あり得る。

 この際、日本が抵抗すれば、韓国世論は一気に燃え盛る。「革命が終わるまでロウソクの火を消すな」「エセ保守を焼き払え」とアジる文在寅に煽られ、ソウルの日本大使館に「破棄を認め再交渉に応じろ」と叫ぶロウソクデモ隊が突入しても、極左政権下の警官隊は暴力行為を黙認する可能性が高い。

【PROFILE】1949年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、時事通信社に入社。政治部記者、ソウル特派員などを歴任。退社後、評論活動に入る。近著に『崩韓論』(飛鳥新社)など。

※SAPIO2017年4月号