検索広告の市場では米グーグルが圧倒的に高いシェアを誇っており、この状況はここ何年も変わっていない。

世界の検索広告市場で5割超のシェア

 昨年(2016年)におけるグーグルのインターネット広告収入は578億ドル(約6兆5800億円)だと米市場調査会社eマーケターは推計している。

 このうち検索広告の収入は475億7000万ドル (約5兆4170億円)で、グーグルの金額シェアは同市場全体の55.2%を占め、同社は依然この市場で首位に立っている。

 別の米市場調査会社であるコムスコアによると、昨年12月におけるパソコン経由の検索広告シェアは、グーグルが約64%でトップ。また米データマーケティング会社のマークルは、スマートフォンなどのモバイル端末における、グーグルの検索広告クリック件数シェアは、昨年10〜12月期に96%に達したと報告している。

 さらに、こうした状況について、米広告マーケティング会社パフォーミクスのアナリストは、「検索広告市場は、しばらく大きな技術革新がないまま、グーグルの支配が続いている」と指摘している。

 しかし、米ウォールストリート・ジャーナルによると、ここ最近はネット通販大手の米アマゾン・ドットコムや、写真共有ソーシャルメディアの米ピンタレストなどが、それぞれ検索広告サービスを立ち上げており、広告主は、こうした各社の動きによってもたらされる市場競争を大いに歓迎しているという。

アマゾン、ひそかに検索広告を開始

 ウォールストリート・ジャーナルによると、アマゾンは過去数年間でひそかに3つの広告サービスを立ち上げたという。

 アマゾンのウエブサイトを見ると、確かに、「Sponsored Products」「Headline Search Ads」「Product Display Ads」という3つの広告商品がある。同社によると、これらはいずれも、利用者が入力した検索キーワードや閲覧内容に関連する、スポンサー企業の商品を検索結果ページや商品詳細ページに表示するという。

グーグルの検索件数が減少

 米フォレスターリサーチのアナリスト、コリン・コルバーン氏によると、ここ最近の利用者は、グーグルではなく、アマゾンやピンタレスト、あるいはホテル検索/予約の米トリバゴ(Trivago)といったサイトの検索機能を使い、商品や関連情報を探すようになっている。この傾向はモバイル端末の利用者に顕著に表れているという。

 そして、こうした利用者の変化がグーグルの検索件数の減少につながっていると、コルバーン氏は指摘。ただ同氏は、検索広告市場の勢力図に大きな変化が表れるには5年ほどがかかる、とも述べており、グーグルの市場支配が今後しばらく続くとことに変わりはないと見ている。

筆者:小久保 重信