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ヤマトは便利で感じはいいが
過剰サービスでは?

 ヤマト運輸の業績が悪化している。主にネット通販の荷物の配達が増えてコストが増加していることが原因だと言われている。ヤマト運輸は宅配便シェアのトップ企業だが、2位の佐川急便から大口顧客であるアマゾンのビジネスを奪ったことが負担になったようだ。

 推察するに、アマゾンと契約した条件がヤマトにとって厳しく、「利益なき繁忙」の状況に陥ったのだろう。加えて、ヤマト運輸は、利益が出ないだけでなく、人手が足りずに過重労働となり、受注する荷物の総量に制限を設けることを労働組合が要求しており、経営陣は協力的に検討する(せざるを得ない)方向だ。結果から見て、自社が対応できるキャパシティを把握し損ねていた面があった。

 かといって、折からの人手不足で人数の補強は簡単ではないのだろうし、ヤマトの場合同社のセールスドライバーの仕事のクオリティに追い着く人材を短期間に養成することも難しかろう。

 ヤマト運輸は、どうやら、強い荷主という需要側の交渉力と、人手不足という調達における供給側の制約に、同時に直面してしまったようだ。おそらくこれまで両方の制約をカバーしてきたのは、サービス残業も含むセールスドライバーの労働強化だったが、それが限界に達し、制約が表面化した。

 ヤマト運輸では、過去、残業代の未払い金が数百億円単位に上ることが判明した。経営陣は、これを調査して遡って支払うとしている。これは「当然」なのでもあるが、後述のようにヤマト運輸の大きな強みの一つは、社員の配達と接客における練度の高さ(配達の能率の良さと、顧客から見た感じの良さ)にあるので、何はともあれ現在の社員を大切にすることは、戦略的に正しかろう。

 実は、筆者は昨夜、ヤマト運輸から再配達でネット通販の荷物(アマゾンとは限りませんよ!)を受け取った。便利でありがたいと思った半面、「この配達でいくらになるのだろうか?」、「この便利さは過剰サービスではないか?」といささか心配になった。

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