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初フルアルバム『スケープゴート』を2月8日にリリースしたシンガーソングライター焚吐が、『リアルライブ・カプセル Vol.2』と銘打って初の東名阪ワンマンツアーを行った。

そのファイナルとなった東京・渋谷WWWは、焚吐がデビューするきっかけとなったオーディションが行われた思い出深い会場だ。「今日はみんなを連れて行けるように僕が先陣を切って200%の力で歌い切るので、よろしくお願いします!」と力強く歌い出し、会場を埋めたオーディエンス、またラインライブでの生中継を見ている人たちを、焚吐はひときわ力の入った歌で魅了した。

2月に二十歳になったばかりの焚吐にとって、『スケープゴート』は「10代最初にして最後のアルバム。10代の集大成、今できることをすべてやった」と胸を張ってMCをした。ということは、二十歳になった焚吐の第一声を響かせるツアーが、この『リアルライブ・カプセル Vol.2』だったのだ。そんなあらたなフェイズに立つ意欲も、この日のライブからは感じられた。

幕開けは、アルバムでも1曲目の「ハイパールーキー」。4人編成のバンドと息のあった演奏も小気味よく、新世代宣言とも言えるノリのいい曲に、「東京!」と地名もアドリブで歌いこんで、一気に待ちかねたオーディエンスの気持ちを掴む。畳み掛けるようにアッパーな曲を3曲ほど続けたところで、「初のアルバムを出して初のワンマンツアー。初めてづくしで戸惑うこともあるので、気負うことなく自由に楽しんでいけたら」と空気をほぐす。TVアニメ「名探偵コナン」エンディングテーマになった「ふたりの秒針」で焚吐を知った人も多いようで、一緒にコーラスするなどリラックスしたムードに場内が包まれた。

中盤では、友達が少なかった中学時代に卒業アルバムの寄せ書きを自分で書いて嵩(かさ)増しした話で笑わせ、卒業についての歌だと言う「彼方の明日」を弾き語りで歌った。シンプルなギターと歌は、寂しげであると同時に彼の芯の強さを感じさせもする。続いてはアコースティックセットの準備をしたバンドメンバーを、くだけた話をしながら紹介し、「ごった煮シティ」を演奏。この曲は焚吐のホームタウンである池袋のタワーレコード限定特典として『スケープゴート』に付録した曲。元は弾き語りバージョンだが今回はアコースティックセットで「全然違うふうに聴こえるのが音楽は不思議だなと思うところです」と率直な感想を漏らした。

この渋谷WWWでオーディションを受けたときに、一緒に待っている人たちにお菓子を配って迷惑がられた話や、中学2年で某有名アーティストのオープニングアクトを務めたときは、大胆にも楽屋でゲームをやっていたなどと話して笑いを誘い、「ここから治安が悪くなるので付いてきてください」と後半戦へ。アグレッシヴな「てっぺん底辺」、オーディエンスとの掛け合いで盛り上がった「グリンプス・グランパ」、そして「皆さんへの感謝の気持ちを精一杯詰め込んだ楽曲」と紹介した「君がいいんです」ではオーディエンスは腕やタオルを振り上げて歌に応えた。

「2015年にデビューして1年あまり。本当にたくさんの出会いと、それと同じぐらいの発見がありました。どれも鮮烈すぎて昨日のことのように思い返せます。ここにいる皆さん、そして僕の音楽をきてくださる皆さんと出会えたことが、その最たるものだと確信しています」。本編最後は、その出会いの始まりであるデビュー曲「オールカテゴライズ」。印象的なイントロのギターが響くと手拍子が起こり、一緒に歌う声があちこちから聴こえてきた。長めの前髪越しに焚吐は感無量といった風情で左右に視線を動かし、ひとつになったオーディエンスを見回しているようだった。

途切れないアンコールの声に応えて再びバンドと共に姿を見せた焚吐は、『スケープゴート』の中でも特別な曲、と「夢負い人」を歌った。自分へのエールとも思えるこの曲に続けて、小学6年ぐらいに書いた曲だという「ティティループ」を、「過去の自分を、今の自分を、未来の自分を、誇って一生懸命歌いたいと思います」と熱唱。明るくなった場内に「僕から君へ 君から僕へ」と繰り返すコーラスが響き、手拍子が重なった。

「ありがとうございました。またお会いしましょう。焚吐でした」歌い終わり、こう挨拶をすると深く頭を下げ、笑顔で手を振りながらステージを降りた焚吐。確かな手応えと自信を得た初ワンマンツアーは、彼の20代を美しくスタートさせたようだ。

TEXT BY 今井智子

<セットリスト>

1. ハイパールーキー

2. 僕は君のアジテーターじゃない

3. 子捨て山

4. クライマックス

5. ポテンシャルオセロ

6. ふたりの秒針

7. 黒いキャンバス

8. 人生は名状し難い

9. 彼方の明日(弾き語り)

10. ごった煮シティ(アンプラグド)

11. てっぺん底辺

12. グリンプス・グランパ

13. 青い疾走

14. 君がいいんです

15. オールカテゴライズ

アンコール

16. 夢負い人

17. ティティループ

※『リアルライブ・カプセル@渋谷WWW 生中継ライブ』のアーカイブ放送実施中。LINE LIVEにて3月8日20時まで配信される。

配信情報



LINE LIVE「リアルライブ・カプセル@渋谷WWW 生中継ライブ」

配信期間:03/06(月)20:00〜03/08(水)20:00まで

※アーカイブ放送

リリース情報



2017.02.08 ON SALE

ALBUM『スケープゴート』

焚吐 OFFICIAL WEBSITE

http://takuto-official.com