まさに東映のための小説? 映画化が決定した「孤狼の血」と原作者の柚月裕子

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 映画『仁義なき戦い』シリーズの東映が、広島を舞台に警察と暴力団の激しい対立を描いた、作家・柚月裕子(ゆづきゆうこ)のベストセラー「孤狼の血」を映画化することが明らかになった。

 小説の舞台は昭和63年、暴対法成立以前の広島・呉原市。捜査のためなら違法行為もいとわないマル暴刑事・大上が、新人刑事・日岡と共に暴力団系列の金融会社社員失踪事件を追うミステリーで、常識外れの刑事と極道のプライドを賭けた闘いを描いた物語は高い評価を獲得した。

 2015年に発売されると、「第69回日本推理作家協会賞」を受賞。「本の雑誌が選ぶ2015年度ベスト10」第2位、「このミステリーがすごい!」(2016年度版)第3位にも選ばれ、「第154回直木賞」にもノミネートされるなど話題を独占した。

 一部では「警察小説×『仁義なき戦い』」と呼ばれ、原作者の柚月も「『仁義なき戦い』なくしては生まれなかった作品。女が入ろうとしても入れない世界だからこそ格好いいというか、憧れました」と語るなど、東映あってこその本作。それだけに、各社との争奪戦の末に映画化権を勝ち取った同社も、「まさに東映でしか完成させることのできない作品」と意気込む。

 撮影は呉原市のモデルにして、『仁義なき戦い』の舞台でもある広島・呉でロケを敢行。日本映画界を代表するスタッフ・キャストを動員して映画化に挑むといい、同社は「昨今の地上波、日本映画ではお目にかかることのできない熱き男たちの“カタルシス”と“ヴァイオレンス”は観る者の魂をエモーショナルに揺さぶる」と自信をのぞかせている。(編集部・入倉功一)