音楽業界から自給自足の生活へ。四角大輔さんがキャリアを捨てて森のくらしをはじめた理由

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執筆家であり、森の生活者、フライフィッシング冒険家という肩書きをもつ四角大輔さん。四角さんは、かつては華々しい音楽業界にてアーティストプロデューサーとして、絢香やSuperfly、平井堅、CHEMISTRYなど数多くのトップアーティストたちを手がけていました。
そんな四角さんが、学生の頃より憧れ続けたニュージーランドに移住したのは2010年のこと。よりサステナブルでインディペンデントな生き方をもとめ、現地の原生林に囲まれた湖畔で自給自足に近い"森のくらし"を実現しています。
シンプルに心の声にしたがうこと

現在はニュージーランドを拠点に、日本のみならず世界中をフィールドとして活躍している四角さんですが、2009年までは大手レコード会社プロデューサーとして数々のヒットを飛ばし、誰もがうらやむような名声や年収を得ていました。
キャリアを考えるうえで、39歳といういわば絶頂期とも言える年齢で、なぜ四角さんはすべてを捨て、ニュージーランドへの移住を決断したのでしょう。

たしかに、仕事での成功や地位、収入や安定といった、マネー至上主義的というか前時代的な価値基準でみると、ぼくの「移住」という判断は理解不能だったかもしれない。
でもぼくは、シンプルに自分の心の声に従っただけ。
(「内なる声を聞き、自分を解放せよ」より引用)

学生時代からの15年来の夢を叶えるべく、ニュージーランドへの移住を決意した四角さん。モノやお金といった「実態のない泡」のようなはかないものではなく、長年持ち続けた自分の夢を優先した結果だと言います。
キャリアはライフスタイルをデザインする道具

未だ日本では、狭い枠組みのなかでのキャリアデザインが主流ですが、四角さんの人生における選択は、さまざまな面で私たちに勇気を与えてくれます。

日本では、キャリアデザインが最重要とされるけど、実は、それって自分が理想とするライフスタイルをデザインするための1項目、単なる手段にすぎないはず。
それがいつの間にか順番が逆転し、「家族よりも仕事、自分の時間よりも仕事、体と心を壊してまでも仕事」と、仕事のために生きる人生になってしまうんだよね。仕事やキャリアは、あくまで、自身のライフスタイルをデザインするために"必要な道具"と考えるのが本来のはず。
(「内なる声を聞き、自分を解放せよ」より引用)

キャリアやモノ、そしてお金への執着を捨て、自らの理想とする人生を送るために重要なモノは何かと考えてみると、それは意外なほどシンプルだったりします。
玉石混合な情報が溢れる現代社会では、目に見えるモノだけでなく、目には見えないさまざまなモノに影響を受けやすく、ともすると知らず知らずのうちに心が疲弊してしまいがち。
四角さんの言葉を借りると、「ノイズ」に溢れた社会で、自分らしく日々過ごすには「まず、欲張りすぎないこと」。モノや情報が溢れるなか、あれもこれもと欲張って手を出し続けていると、物理的にも精神的にもあっという間にパンクして、自分を見失ってしまうから、捨てることを意識して生活をすることが重要なのだそう。
そして、常に「心の真ん中」にアクセスし続け、自らの欲求がホンモノか否かを問う習慣を身につけることが、自分を見失わずにいられるコツだと言います。
自然の恵みは何にも勝る最高のギフト

ニュージーランドの四角さんのご自宅には、オーガニック菜園とミニ果樹園があり、ほぼ自給自足の生活が可能なのだそう。大地とのつながりを感じながら、土や植物と触れ合う時間が何よりの癒しになるのだとか。季節ごとに実る野菜やフルーツで作られる日々の食事は、太陽と大地のエネルギーが溢れる最高の贅沢。
目の前の湖の水を飲料水とし、湖で釣った大きなマスと湖水で育てた野菜や果物、すぐ近くの海で釣る多種多様な野生魚を食料とする生活。ライフラインが万全ではない土地でありながら、こんなにも豊かに感じられるのは、自然の恵みが何にも勝る最高のギフトだと、私たちは心のどこかでわかっているからではないでしょうか。
はじまりの季節とも言える春。四角さんからのメッセージを心に留めて、本当の自分を見失わず心身ともに健やかに、そして穏やかに日々を過ごしていきたいものです。
[Daisuke YOSUMI Official Media, Lifestyle Design Camp]