「べっぴんさん」128話。男の家へ女が嫁ぐことが当然だなんて、古い考えだ

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連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第23週「あいを継ぐもの」第128回 3月6日(月)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出:新田新三


128話はこんな話


健太郎(古川雄輝)とさくら(井頭愛海)の結婚を承諾したものの、さくらが一人娘のため、健太郎を婿にほしいと紀夫(永山絢斗)たちは主張。でも、君枝(土村芳)はそれを許せなかった。


週末は、健太郎とさくらの結婚が決まって、みんなにこにこで終わったが、それだけで済むはずがない。週明けに問題勃発。あっという間に結婚は白紙になるかもしれないという展開に。まったく慌ただしい。
結婚とは「家と家との問題や」という紀夫に、さくらたちは、当人の幸せを優先すべきと反論する。
村田家に嫁に入った君枝は、本来、家を守ることを主張するはずの姑・琴子(いしのようこ)がすでに亡くなったいま、すっかり村田家を守る側になって、一人息子を婿にするなど言語道断という感じ。
それにしてもなんで昭一(平岡祐太)は終始無言なのか。しっかりしろ、と言いたい。まあそれが昭一なんだけれど。

語り(菅野美穂)も、「結婚とは家と家の結びつきといいますが、何をつなげて何を継ぐのか、なかなか答えの出せないすみれと紀夫くんなのでした」と128話を結ぶ。
2010年代のいまでこそ、さくらたちの言い分ももっともと思うが、まずお家を残すことが大事だった時代が実際にあったわけで。いま放送中の大河ドラマ「おんな城主 直虎」もまさに、家を残すために主人公が女の幸せを犠牲にしているお話だ。月曜朝から日曜夜までお家を守るお話をNHKで放送しているわけは、何かそういうキャンペーン期間か何かなのだろうか。

そもそもの坂東家のゆりとすみれの宿命


坂東家の長女のゆり(蓮佛美沙子)が野上潔(高良健吾)のところに嫁に行ったのは、潔が野上家を守るために養子に来た子だったから。いま思えば、五十八(生瀬勝久)が大事な部下・野上の家を守ろうとしたのだろう。あとになっていっそう五十八の野上に対する思いやりに感動した。
幸い、ふたり姉妹だから、すみれが婿(紀夫)をもらえたので、いまも坂東家は残っている。でも、ここでさくらが嫁にいけば、坂東家はおわってしまう。
紀夫は、自分は末っ子の三男だったから婿になるのも難しくなかっただろうと言うが、坂東家を守る使命をもって婿に入ったわけだから、よけいに自分の代で坂東家を終わらせるわけにはいかない。彼が頑なになるのも仕方ない。

キアリスって大きな家族みたいだなって思ったの


良子(百田夏菜子)が「キアリスって大きな家族みたいだなって思ったの。今回のこと私は口出しできないけどどうなってもそういう絆みたいなものは変わらないんだろうなって」と言う。
大家族(キアリスファミリー)だからこそ、デリケートな家の話をみんながいる前でし続ける。

この後、日本は核家族化が進み、家と家との問題も関係なくなっていくし、結婚するひとも少なくなり少子化が進むが、その一方で、他人同士が集まってプライベートを語り合うことはシェアハウス文化として復活するのである。
おりしも、3月8日の国際女性デーを前にして、川上未映子や西原理恵子による、女性に関する固定観念を改めることを促す発言がSNSを賑わせている。さくらは村田家に嫁にいかず健太郎を婿にもらうことができるだろうか。
(木俣冬)