『嘘の戦争』(フジテレビ系、関西テレビ制作)第8話は、今まで謎だった部分、登場人物同士が隠しあっていた部分を全部さらけだす回となった。


大事なことを喋りまくる!


まずは目を覚ました興三(市村正親)。興三は、一ノ瀬(草なぎ剛)が千葉陽一だということを隆(藤木直人)に伝える。

さらに正気を取り戻した五十嵐(甲本雅裕)、一ノ瀬(草なぎ剛)が家族殺しのもう一人の実行犯は誰なのかと聞きに行くと、一ノ瀬の予想通りそれが六車だとあっさり自白。

そして隆は全てを知った事を一ノ瀬に伝え、取引の場が設けられた。一ノ瀬はそこに晃(安田顕)と楓(山本美月)を呼び出し、隆との会話を盗み聞きさせる。これでこの4人は二科家がやった30年前の千葉一家殺しの情報のほとんどを共有した。

出てくる人出てくる人可哀想


ここの会話の緊張感はすごかった。怒っている一ノ瀬、兄妹達に知られて焦る隆、混乱する晃、そこに失恋までプラスされた楓、全員がそれぞれに可哀想だった。

一ノ瀬の楓に今まで騙していた事を伝えるシーンが印象的だった。好きだという事も結婚も全てが嘘だったと直接語り掛ける。しかし、一ノ瀬と隆の会話で全てを理解した楓に、復讐者としてこの言葉は必要だったのだろうか。言わなくても十分に伝わっているハズだ。おそらくこれは一ノ瀬の思いやりなのだろう。直接ハッキリと伝える事で自分を悪者にして、さらに嘘とはいえ恋愛関係を気づいた楓へのケジメをつけたのだ。復讐者・一ノ瀬は、楓と晃にはどこか優しい。

まだまだ嘘の暴露合戦は続く。一ノ瀬は、直接対決で殺し屋・六車をなんとか虎バサミにひっかける事に成功。足を挟まれた六車は、一ノ瀬の心理をかき乱すために一ノ瀬の父親が殺される前に、OL殺し事件の証拠を友人に託していた事を明かす。しかし、死んだ後もその証拠は発表されることはなかった。そこで、一ノ瀬は児童養護施設の園長である三瓶(大杉漣)を思い浮かべた。

一ノ瀬は六車との対決後、三瓶の所へ駆けつけて全てを知ったと明かす。一番近くにいた三瓶に裏切られた一ノ瀬、家族を守るために暴露することが出来ずに30年間後ろめたさを抱え続けた三瓶、さっきと同じだ。2人がそれぞれに可哀想。全部、興三が悪い。

三瓶に声を掛けられ振り向く一ノ瀬。眼の下には涙が流れた後がある。泣いていたのではない。さっきまで泣いていたのだ。悲しみを乗り越えた一ノ瀬がたどり着いたのは、残念ながらまたしても復讐心だった。

今までは隠して騙して、真実を知る。という流れが多かった「嘘の戦争」だが、今話は完全に暴露合戦となった。これで明かされていない事実はほぼなくなったのではないだろうか? しかし、それだけに今後の展開は想像が出来ない。

今夜放送の第9話は、一ノ瀬が三瓶の娘・七沢由美子(国仲涼子)に接近する。裏切りそうな雰囲気の百田(マギー)と、真実を知った楓と晃の心情の変化に注目したい。
(沢野奈津夫)