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建築物を3Dプリンターで出力する試みが世界中で行われていますが、ロシアの建設用3Dプリンター開発企業「Apis Cor」は、建設現場に3Dプリンターを持ち込んで、無人の全自動で1日とかからず建物を3Dプリントすることに成功しました。

The first on-site house has been printed in Russia | Apis Cor. We print buildings

http://apis-cor.com/en/about/news/first-house

建設現場で建物全体をそのまま出力できるApis Corのユニークな3Dプリンターについては以下のムービーで解説されています。

Apis Cor: first residential house has been printed! - YouTube

雪が積もるロシアの極寒の地に建つ黄色の建物。



これが、3Dプリンターを使ってわずか1日で建てられたコンクリート住宅です。



これまでにも3Dプリンターを使って建物を作る試みは行われてきました。



しかし、ほとんどの場合で住宅の一部をプリントアウトして組み立てるという方式が採用されていました。



また、組み立て式の住宅の一部を作るために、屋内に設置された巨大な3Dプリンターが使われるのが一般的で……



出力した「箱」は現地に運び、あらためて組み立てる必要がありました。



しかし、Apis Corの3Dプリントハウスは現地でプリントアウトするため組み立ての手間が不要という大きな利点があります。



建物の建築場所での3Dプリントを可能にしたのが、Apis Corが開発した特殊な3Dプリンター。



建築材を出力するプリントヘッドが回転するようなデザインです。



Apis Corの3Dプリンターはアーム部の全長が4メートルで高さは1.5メートル。重さは2トンと非常にコンパクトです。必要に応じて脚とアームが伸び縮みし、プリンター自体の高さは最高で3.1メートル、アームの長さは8.5メートルまで伸ばすことが可能で、最大で高さ3.3メートルの建物を「プリント」することが可能です。



また、建築用のコンクリートをまぜるミキサーを筒の中に内蔵しています。コンパクトなマシンですが、1日に最大100平方メートルの建物を出力することができます。



Apis Corが建物を作っている様子。アームが回転するため、一般的な住宅では難しい曲面の壁を出力することも簡単です。



コンパクトな3Dプリンターはトラックで運搬することが可能。



わずか1時間で組み立てて、建築作業を始められます。



Apis Corの3Dプリンターは現地で建物全体を出力できるため、躯体を作る作業は人手は不要で完全に自動化できます。



建築作業員のチームワークが必要とされる従来の製法に比べるとスピード、工期が早く、コスト面でも大きなメリットがあります。



もちろん強度においても問題なし。



わずか1日で住宅を建てるApis Corの実験は、一面が雪に覆われたロシア・モスクワで行われました。



気温はなんとマイナス35度。



コンクリート材料を出力できるのは5度が限界なので、テントを使って解決したとのこと。



なお、Apis Corによると現在開発中の複合樹脂材料が完成すれば、冬でも夏でも1年中いつでも住宅を3Dプリントできるようになる見込みだとのこと。



外壁や内装には漆喰(しっくい)が用いられており、簡単に塗装できるようになっています。鉱物漆喰は断熱材としても機能します。



KOROED製の内装材は高い密着性と透湿性があり、仕上げ作業に最適だとのこと。



フラットな屋根ですが、耐雪性も十分。



フラットなのでシート加工が可能で、LOGICROOFのポリマーで覆われた屋根を覆うことで、耐久性も保てるとのこと。



壁面には硬質ポリスチレンをベースにした断熱板が張られ隙間もロックウール粉末で埋められます。



また、ポリウレタンの発泡断熱材で覆うことで、高い断熱性と気密性を実現しています。



Fabrika Okon製の二重窓を設置。



室内環境は一般的なコンクリート住宅と変わることはないとのこと。



Apis Corがテストで建てた建物は床面積38平方メートルの平屋。



建築コストは1万134ドル(約115万円)と激安。



平米単価では275ドル(約3万1000円)



この建築費用には基礎、屋根、内外装仕上げ、壁、窓、床、天井という建物の基本部分が全て含まれており、既存の工法で作られる一般的な箱形の住宅に比べて平米単価で223ドル(約2万5000円)も安く、45%も建築コストを抑えられるとのこと。



また、3Dプリンターならではの立体構造のため、一般的な工法に比べて資材の量を70%も削減できるためエコノミーかつエコロジーといえます。



Apis Corの3Dプリントハウスは、わずか1日で建物の基本的な躯体を自動で作られることから、工期を劇的に短くできます。実用化されれば一般住宅用だけでなく、災害地の仮設住宅の建設などでも大きな威力を発揮しそうです。