『しゃぼん玉』舞台挨拶に出席した秦基博(右から2番目)

 シンガーソングライターの秦基博が4日、シネスイッチ銀座で自身が主題歌を歌う映画『しゃぼん玉』の初日舞台挨拶に出席。秦は自身が歌に目覚めたきっかけとして「男の3人兄弟なんですけど。皆同時にギターを始めたので、1本のギターをかけそばみたいに3人で弾いていたんです。弾いてない時も待つんじゃなくて、ハーモニーとして入るんですよ。気が付けば男3人で熱唱していた」と当時を振り返り、その環境が現在の活動に繋がったという。

 『しゃぼん玉』は親の愛情を知らずに育ち、女性や老人だけを狙った通り魔や強盗傷害を繰り返してきた俳優・林遣都(はやし・けんと)演じる主人公の伊豆見が、逃亡途中に迷い込んだ宮崎県の椎葉村で、生活する内にその心境が変わっていく過程を描いた作品。直木賞作家の乃南アサ氏によるベストセラー小説が原作。TVシリーズ『相棒』で監督を務めた東伸児監督の、劇場初監督作品という事でも注目されている。秦はこの映画に主題歌「アイ(弾き語りVersion)」を提供している。

 この日の舞台挨拶には、秦の他に、キャストの林遣都、藤井美菜、相島一之、東伸児監督も登壇した。秦はまず「自分自身が生まれた宮崎県が舞台の映画に選んでいただけました。しかも自分の想い入れのある、大切な楽曲『アイ』という曲にまた新しい景色を作って頂きました。素敵な映画に素敵な映画に関わらせて頂いたことを嬉しく思います」と挨拶した。

 今回の主題歌抜擢には東監督からのラブコールがあったそう。「人生のターニングポイント」がテーマとなっているこの作品を観た本人が、2度目の週間オリコンランキング初登場5位を記録し、自身のターニングポイントとなった楽曲「アイ」(2010年)を提案し、監督を含めたスタッフの全員一致で今回の起用に繋がったという。

 秦は、改めて「人生のターニングポイント」を問われると、「12歳くらいの時にギターを弾き始めたんですけど、兄が友達から3000円くらいでボロいフォークギターを買ってきたんです。それがターニングポイントですね」と明かした。

 秦は家族についての思い出を問われると「兄が2人いて、男の3人兄弟なんですけど。皆同時にギターを始めたので、1本のギターをかけそばみたいに3人で弾いていたんです。弾いてない時も待つんじゃなくて、ハーモニーとして入るんですよ。気が付けば男3人で熱唱しているというのがありました。その環境が歌うことを凄く自然にしてくれたのかな、と今は思います」と応えた。

 なお、その他のキャストは、林「東京への修学旅行でスカウトされた時」、藤井「9歳の時、市民ミュージカルのオーディションを受けた時」、相島「演劇と出会った時」、東監督「渋谷でやることがなくて途方にくれて映画館に入った時」とそれぞれのターニングポイントを明かした。

 また、秦は映画の印象に残っているシーンについて「1つは相島さんが演じる、ダメ息子の怖さ。あれの迫力は印象に残ってます。あとはラストシーンですかね。あのシーンはぐっときましたね」とコメントした。

 映画の内容になぞらえて、あだ名を質問された秦は「デブゴンです。由来は太ってからです。凄くぽっちゃりしていたんですけど。宮崎県から横浜に引っ越して、すぐに呼ばれて。『さすがに酷いんじゃないか』と苦情を言ったら『燃えろデブゴン』と言われました(笑)」とユーモアを交えながら振り返った。

 東監督も秦に勇気づけられた様で「秦さんがカミングアウトしたので、僕はずっと短足と呼ばれていました」と暴露して、会場は笑いに包まれた。

 その後、東監督からキャストへ『しゃぼん玉』のブローチが贈呈されるサプライズも。イベントの最後は主演の林が「ちょうどこの仕事を初めてほぼ10年、幸せを感じています。監督をはじめ、皆さんに感謝しています。今日は本当にありがとうございました」とメッセージを述べた。(取材=小池直也)