リーグでは2試合連続でCBとして先発した車屋。最終ラインを支えている。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大

[J1リーグ 2節]川崎 1-1 鳥栖/3月5日/等々力
 
 鳥栖との一戦、1失点はしたが、川崎の最終ラインで存在感を放ったのが車屋紳太郎だった。
 
 川崎では左SBとしてレギュラーを掴んでいた背番号7だが、今季はリーグ開幕戦の大宮戦でCBとして起用されると、冷静なパフォーマンスを披露。鳥栖戦でも相棒の谷口彰悟と、ゴール前に堅い壁を築いた。正直、果敢に左サイドを駆け上がる攻撃的な選手とのイメージがあったので小さくない衝撃を受けた。
 
 鳥栖戦に臨むにあたっては、空中戦で競り負けないことを意識したという。
 
「相手の高さを試合前から気にしていたので、そこでやられちゃいけないと感じていました。抑えられたことは良かったと思います。普通に競り合っても勝てないので、身体をぶつけたり、相手を上手く飛ばさせないことを意識しました」
 
 鳥栖にはハイボールに滅法強いCFの豊田陽平がいる。だが、Jリーグを代表するこの屈強なFWを相手に車屋は対等以上に渡り合った。手応えを得られる内容だったのではないか。しかし、試合後には反省も忘れない。
 
「失点するまでは良い流れだったと思います。でも、自分たちのラインコントロールのミスからやられてしまった。本当に一瞬の隙を突かれたという感じです。切り替えが遅かったです」
 
 一方で、鬼木監督に求められているのはボールをつなぐプレーだという。
 
「ボールを持つようにとは凄く言われています。高さだけを考えれば僕じゃなくて良い。でも、自分は別のところを要求されている。らしさを出せればと思います」
 
 川崎は後方から丁寧にボールをつなぐスタイルなだけに、CBに求められるのは確かな守備力と縦に正確にパスを入れられる足もとの技術となる。その点、大学時代にもCBを務めてきた車屋は守備のイロハを熟知しており、プロで左SBとして培った攻撃性能も持ち合わせている。
 
 さらに本人もCBのプレーに前向きだ。
 
「CBは大学時代にやったし、プロに入る時はそこで勝負したいという気持ちも多少はありました。プロになって左SBが自分のポジションみたいになりましたが、出場できるのであればどこでも100パーセントの力でプレーします」
 
 攻撃も守備も高レベルでこなせるハイブリッドCBとして大成する素地はある。覚醒の時は近いのかもしれない。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)