クルマ選びにおける世界共通のテーマといえば『維持費は安いほど良い』でしょう。たとえ実用性が物凄く高くても、税金やガソリン代が高くさらに故障も多ければ、まったく見向きもされません。

多くの国では実用性と維持費の安さを5ドアハッチバックというカタチに落とし込んでいますが、ここ日本では『軽自動車』なるものが独自の発展を遂げました。

そんな軽自動車も現在のブームは「ダイハツ・タント」や「ホンダ・N-BOX」「スズキ・スペーシア」のようにボディの全高を1700mm以上に高めて室内空間を稼ぐモデル(通称:スーパーハイト系)。しかし、それらの誕生も93年登場の初代「スズキ・ワゴンR」がなかったら、ひょっとしたら……

1

初代「ワゴンR」は限られたサイズのなかで徹底的なパッケージングが追求された1台であり、1600mm上回る全高で室内空間を拡大したほか、リヤコンビランプをリヤバンパーに組み込むほど下げて積載性を高めるなどの工夫が凝らされており、小さなボディでも実用性は高められることを証明しました。

以降、「ワゴンR」はその美点を磨きつつ、ライバルを出し抜く新機能を備えることで進化を遂げ、2016年12月には通算6代目となる新型がデビューしました。

新型「ワゴンR」のトピックのひとつが新プラットフォーム「HERTECT(ハーテクト)」の採用です。

走行時に掛かる力を分散するために従来よりも滑らかな構成とし、剛性の確保と補強部品削減による軽量化を達成。さらにボディの超高張力鋼板の使用率を8%から17%へ上げたことで軽量化に拍車をかけ、FF車で800kg以下まで車重が絞り込まれ、マイルドハイブリッドと相まってJC08モード燃費は最良で33.4km/Lと、燃料の節約にも抜かりがありません。

この新プラットフォームは室内空間の拡大にも貢献。ドアハンドルの形状も工夫し、室内幅はなんと60mmも広がっています。

居住空間と低燃費に加えて、室内に備わる細かな機能の進化も新型「ワゴンR」の見どころ。とくにユーザーからは濡れた傘を収めるスペースに対する期待が大きく、後部ドアに傘をサッとしまえるアンブレラホルダーを用意。また、走行時に速度などを素早く把握するのに便利なヘッドアップディスプレイを初採用するなど、より使いやすさに磨きが掛かっています。

とはいえ、せっかくの実用性も選ばれなければ宝の持ち腐れ。

先代では「ワゴンR」のオーナー像がはっきりしていなかった点を課題とし、新型では「YourワゴンR」をテーマにデザインを行なったと言います。3つの異なる表情を与えたことには、これまで以上に多くの人に響いてほしいという願いが込められているのです。

(今 総一郎)

【関連リンク】

ニューモデル速報・第549弾ワゴンのすべて
http://www.sun-a.com/magazine/detail.php?pid=9433

新型スズキ・ワゴンRが3つの顔をもつワケとは?(http://clicccar.com/2017/03/06/450779/)